たーこいずの宝箱

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SEECゲーム「紡ロジック」感想

SEECによるスマホゲーム「紡ロジック」の感想です。

 

「誰ソ彼ホテル」でSEECに出会いドはまりし、一番最初の作品からプレイしようと決意。その後「アリスの精神裁判」、「四ツ目神」「監獄少年」と順にプレイしてきました。

そして「紡ロジック」をプレイしたのですが...もうダントツで一番に好きです。

いやもちろんどの作品も良かったです。特に私とSEECとの出会いとなった「誰ソ彼ホテル」には頭をぶん殴られたような衝撃がありました。

けれどそれ以上に「紡ロジック」が私としては最高でした。プレイし終えてしまったのが本当に寂しい。

元々ブログに書くつもりはなかったのですが、このぐちゃぐちゃな感情を整理したくなるくらいにぶわっとした読後感(プレイ後感と言うべきだろうけどあえて読後感と言いたい)に襲われているので、書いておくことにしました。

 

では、以下ネタバレあり感想です。全エンド回収済みで特別ストーリーも読んだうえでの感想ですので、閲覧にはご注意ください。



 

 

序盤の緩さで我々は油断する

最初はなんだかSEECっぽくないなぁと思っていたんです。

大学生が主人公のほのぼのした日常ミステリなのかなと。

SEECぽくなくて少し拍子抜けだったけど、私わりと小説は日常ミステリを好むのでこれはこれでいいか~と思ってプレイしていたんです。

ビジュアルが可愛いし、どのキャラも個性があっていいし、主人公の紡は元ヤンみたいだけど映画にめっちゃ詳しいオタク気質を感じるし。

宰司はいやな奴で、琴子ちゃんはなんか胡散臭そうな女の子だな~紡は見る目がないな~とは思っていましたが、宰司はだんだん好きになっちゃいましたし、琴子ちゃんにラブレター出すなんて甘酸っぱいなぁいいなぁ青春とか思ってたんですよ。

 

そしたら...!!

鈍器で強めに殴られたくらいの衝撃でしたね。

いつの間にか大学生のほのぼの日常ミステリじゃなくなってるじゃないですか。

いやうそでしょ!?

めっちゃ人死ぬやん!狂気じみてる。

いや、その前からも裏サーとか不穏な空気ありましたし、蒼星の首の傷の秘密とかにはSEECやん...!こういうの大好きだぜ!とはなっておりましたが。

SEECを舐めてました。そうですよね、ただの日常ミステリで終わるわけないですよね。

メダカ・ブラ盗難事件の内容とそのネーミングで完ッ全に油断していた私がバカでした。

というかすべてが全然日常じゃなかった。

 

心がズタズタになるTRUE END

野崎が死んで、いやこれ彦根しかおらんでしょ~と思っていたら彦根は殺されちゃうし、じゃあ直羽?と思っても、旬にあんだけ疑われていたら多分犯人じゃないよな~蒼星とサリーと斗真は論外だし...と思っていたんですよね。

そしたらまさかのサリーが手錠かけられているじゃないですか。

しかも私が犯人ですとか言い出すじゃないですか。

しかも閉じ込められて水面がどんどんと迫ってくるじゃないですか。

 

サリーが誰かをかばっていることは一目瞭然でしたが、それだとしても彦根を殺したことは事実らしく、そこで一旦ショックを受けました。

まさか、あのサリーが人を殺めてしまったなんて...

と同時に野崎と一緒に竜胆にいじめられていた佐藤歩だと知り、しんどくなりました。

サリーにそんな過去があったなんて...

 

しかもですよ。TRUE ENDに向かえているはずなのに、サリーを救えないなんてことがあるの!?

嘘でしょ!?サリーは助かるはずでしょ...嘘だと言ってくれ...

TRUE ENDを終えて真っ先にサリーを救える道を探しました。サリーが彦根を殺した事実は変えられないとしても、犯人を言い当てることができかつサリーを助けられるHAPPY ENDがあるはずだと信じて。

でもない。

サリーは救えても、犯人がわからずのまま終わってしまい、ANOTHER ENDの域を出ない。

サリーはどうあっても死ぬ運命だったのか...その事実を突きつけられた時、再びショックに苛まれました。

あくまでサリーが生き残るのはANOTHERなのであって、TRUEにはなりえないのだと。

あぁ...サリー...

安らかに...

 

犯人を明らかにするためロジックを紡ぐ

サリーが手錠にかけられたあたりから、もしかして...と思っていたんです。

蒼星と斗真には動機がないはずなので除外、主人公が犯人というカオスにはならないだろうし除外、旬にあんだけ疑われてる直羽も除外、酒乱な善人先輩も除外。

となると、残るは旬か琴子ちゃん。

いや、これ琴子ちゃんくさいな...?となんとなくの勘で思っていたんです。

そしたらやっぱり琴子ちゃんだった!

 

でもですよ。その琴子ちゃんが犯人だと分かる推理ターンが秀逸でした。

アリバイがないのが紡と琴子ちゃんしかいないと分かった瞬間の爽快感。いや驚愕と言った方がいいのかもしれない。

実はここに証拠が残ってて~とか、そういう感じなのかと思いきや、綺麗にアリバイがなかった。しかも紡と犯人の琴子ちゃん以外はちゃんと全員にアリバイがあった。

 

そのアリバイを証明していく過程が良いんです。

アリバイがないのが琴子ちゃんだと気づいた時、「だから紡ロジック...!!」となりました。

ちゃんと論理を繋いでいるんです。

もう感動しました。

 

その後の琴子ちゃんの豹変ぶり。びっくりしましたね。

いや元々、胡散臭い女の子だな~彼女のどこが好きなのよ紡は見る目ないな~とは思っていたんですよ。

それにしても、ここまでの女だったとは。

 

まさか、優ちゃんが死んでいたとは思いもよりませんでした。

話の流れ的に優ちゃんのくだりいるか?島にも来てないしなんだったんだ?と思いながらゲームを進めていましたが、まさかこのストーリーの根幹だったとは。

 

そして、紡がナイフを刺す真似をして、何度でも殺すと言ったシーン。あれは最高でしたね。

蒼星のように赦すわけではない。琴子ちゃんのように殺すわけではない。紡の、紡らしい選択になんだか感動しました。

 

衝撃の特別ストーリー

秘密を守る人

特別ストーリーでは紡ではない視点になることで様々な事実を知ることができたのが良かったですね。

まず「葬る人」。あぁ...優ちゃんはクロだったのか...とショックでした。

けれど、斗真が斗真としての役割を果たすことできちんとサリーとお別れできて良かったなと思いました。

 

そしてサリーの思いやり、斗真の思いやりを感じました。紡、君は愛されてる。

もしかしたら蒼星もクロだと疑っていたのかもしれないけど、あえてシロだということで紡の背中を押したのかもしれないと思いました。

紡に悟らせることなく秘密を守り続けるのは容易いことではないけれど、きっと斗真なら、蒼星なら大丈夫。

紡に幸せになってほしいと思うと同時に、斗真も蒼星も幸せになってくれと願わざるをえませんでしたね。

 

そしてここにも秘密を守る人が。大門先輩、君は本当にいいキャラだよ。

きちんと自分のエゴだと言い切る大門先輩が好きです。

まさか入学当初の優ちゃんと会っていたとはね...こういうところにもSEECの凄さを感じます。

 

"主人公"は誰

そして明らかになった衝撃の事実。

優ちゃんの人生の主人公は琴子ちゃんだったなんて。

お兄ちゃんが大好きでお兄ちゃんの復讐を遂げた琴子ちゃんがお兄ちゃんをその道に歩ませた主たる要因だったことにまたもや鈍器で殴られた気分です。

 

主人公を変えるべく紡を選んだというのはなんだかわかります。大門先輩も言っていましたけど、ヤンキーなのに純粋だし、狭間でふわふわしている感じが魅力的ですもん彼。

でもだからこそ、紡のような人を求めて裏サーに入ってしまったというのが、もう、ね...

辛いです。この事実を紡が知ったらもう立ち直れないのでは、と思うくらいに重たい事実。

主人公を紡に選んだから上手くいっていただけで、ただの不良を選んだらダメだよ...しかも、疎遠になる必要なんてなかったのに。紡からの愛をちゃんと感じ取れていなかったことが悔しいです。

 

でも、大門先輩の言う通り、主人公を誰かに任せちゃダメなんですよね。

現実を面白くする要素を自分で、見つけなきゃいけない。

蒼星の考え続けろという言葉も重く響きましたが、大門先輩のこと言葉も深く心に刻まれました。

 

蒼星の正体

そんな中、いやこれは特別ストーリーじゃなくて本編でやってくれよ!!!と思ったストーリーがひとつあります。

買うかどうか迷っていたのですが、このストーリーだけでも買う価値がありましたね。

まさか蒼星が紅陽さんで紅陽さんが蒼星だったとは...!

本編で一番好きなくだりがこの双子の秘密だったので、またこの双子にフィーチャーされてすごく嬉しかったのですが。

いややっぱりこれは特別ストーリーじゃダメだろ...!

 

双子に演技をさせたことがここへの伏線だったなんて、誰が考えますか?

SEEC凄すぎです。本当にもう素晴らしい。

そしてそれに気づいた紡、君は本当に凄いよ。

紅陽の出ている作品はすべて見ているあの影元でさえ気づいていなかったんだよ?

でも、今思えば会話の節々にヒントは隠されていたんですよね。

特別ストーリーを踏まえたうえで本編ももう一度読み返さないといけなさそうです。

 

双子たち、壮絶な人生を送っていますよね。

ナイフで切っただけでも相当なのに、人生を入れ替わるとか...もう本当...

それを踏まえての赦す赦さないだったんですね。

こう思うと、今の蒼星が寛大すぎてやばいです。そりゃ今の紅陽さんも不安に思うはずだよ(今後断りのない限り今を基準に名前を呼びます)。

二人とも自分の夢を諦め、自分に与えられた才能を生かして互いの夢を叶える...いや、もうなんかね。ものすごい共存関係を見ました。

今が楽しいと二人とも言っていたことが救いです。本当に幸せになってほしい。

 

そんな蒼星が紡のことを可愛がってると思うと、ね。最高ですね。

だって蒼星は紡のこと大好きじゃん?しかも最後また殺人現場に遭遇しちゃってたし。

紡はあくまで主人公で、みんなの人生を変えまくるいうのが良いですね。

いや、紡だけじゃなく、みんながみんなの人生に影響しあっているんですよね。

そんな当たり前のことを改めて気づかされました。

 

まとめ

序盤にSEECを疑ってごめんなさいという気持ちでいっぱいです。本当に凄かった。

今までのゲームも良かったですが、こんなに衝撃だったのは、読み返したくなったのは「紡ロジック」が一番でした。

また、パズル的な謎解きよりも選択肢を選んでいく謎解きが多かったのも好みでした。まるで小説を読んでいるかのような、あの感じが良かったです。

だからこそ喪失感がすごいですね...

 

お出かけさせたときに出てくるスポットやお土産に過去のゲームが登場するのが面白かったですよね!

また、名古屋が舞台というのも嬉しかったです。知っている街だとこんなにも楽しいんですね。

 

そして、実在の映画や小説がたくさん出てきたのがまた魅力でした。見たことのないものもたくさんだったので、また見ていきたいと思います。

まずはスズキ君おすすめの「クラッシュ」からですかね。笑

 

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一番のお気に入りキャラは蒼星で、ビジュアルが一番好きなのは高校生の紡でした。

次は「ウーユリーフの処方箋」、どんな素敵キャラに出会えるのか、どんなストーリーを体験できるのか楽しみです。

 

では、お読みくださりありがとうございました!