たーこいずの宝箱

たーこいずの宝箱

大好きなものへの愛を綴るブログ

クリミナル・マインド1-17「マンハッタンの処刑人」感想

海外ドラマ「クリミナル・マインド」シーズン1第17話「マンハッタンの処刑人(A Real Rain)」感想です。

 

なんと約1か月ぶりと、久しぶりな海外ドラマ感想記事です。間が空いてしまってすみませんでした💦

名探偵コナン連載再開→100巻発売→緋色の弾丸円盤発売、そしてB'zのUNITE#01→FRIENDSⅢ発売決定、と別の趣味の方でとても忙しかったのです(言い訳)。

 

久しぶりのクリミナル・マインドはやっぱり面白くて、しかも訴えかけられるエピソードでした。まだ消化しきれていません。

 

では、以下ネタバレあり感想です。

 

狂気じみた連続殺人

クリミナル・マインドおなじみ、OP前では犯行の様子が描かれます。ホラーが苦手なので、ホラー仕立てな演出に毎回OP前でビクビクしてます。笑

 

今回は家で椅子に座り、誰かの声が響く中タクシーに乗り、運転手を殺すというものでした。

あの声はきっと犯人の脳内で響いている妄想なのだろうと思っていましたが、やはりそうでしたね。

それにしても、妄想型犯人はおっそろしいですね。狂気でしかありません。

 

OP前のW・ダービン殺しが初犯というわけではなく、3週間前にR・ホールマン、1週間前にK・サラーニが殺されていました。

全ての犯行で目隠しをされ胸を撃たれ、そのうえ耳をナイフで刺されているのです。

そのナイフは柄が折られ、刃は脳内に到達しているという残虐ぶり。

 

可愛すぎるリードと愉快なBAU

まずは犯行現場を実際に見てプロファイリングをするということで、飛行機でニューヨークに向かうBAU。

その飛行機の中で、リードが初ニューヨークであることが明らかになるのですが、もうとっても可愛くて面白かったです。

モーガンは行ったことがないことに心底驚いている様子で、「飛行機で1時間だぞ」「列車でも3時間だ」とびっくりしていました。

 

モーガン以外にも驚かれ、事件が解決したら観光するかと誘われる始末。

ホッチなんて「博士に休暇を勧めては?」とギデオンに提案までしていました😂

しかしそんな状況を変えるべく(?)、唐突にプロファイリングを始めるホッチ。

突然襲うのは大抵男性だ

とホッチが言うと、モーガン

大雨の中車が拾えるのは黒人以外

と笑いをとります。するとリードが

大都会で不意打ちは知能が高い証拠

と続けます。エルはこれに反対し、突然襲うのは無秩序型だと言いますが、それにホッチが反論する形で

目隠しやナイフを持参 無秩序型ではない

と言い、最後にギデオンが、犯人は殺すかどうか決めかねており、良心がとがめて視線が怖くなり目隠しをしたのだと結論付けます。これがのちに間違ったプロファイルだと気づくのですが...

 

そして、リードが可愛かったのは飛行機の中だけではありません。

そう、中華レストランです!!

箸が使えないリード、可愛すぎませんか?

あんなに博識なのに!箸は使えない!笑

みんなに使えないことを笑われると、鉛筆2本じゃ無理だとおどけてみたり、刃物は凶器なので孔子が箸を取り入れたと知識を披露してみたり、ともう言い訳が可愛い。

JJに髪ゴムでまとめてもらってもなおつかめないでいるリード、最高でした。

 

そしてそんな中華レストランでも面白いBAU。

エルがこんなところでも仕事の話、と不満そうにしたためホッチが彼氏は?と聞いたのですが、聞かれたエルは速攻仕事の話に戻します。

もうエル可愛すぎるでしょ!全然誤魔化せてないから!笑

仲良しなBAU、いつまでも見ていられます。

 

そして仲良しなBAUで忘れてはならない存在、私の大好きなガルシア!厳密にはBAUではないのだと思いますが。

今回も最高でしたね~!やっぱり冗談の言い合いになるモーガンとのやりとりが最高でした。

「愛してる?」「情報次第」「現金な男」からの、あまり有益じゃない情報を言った後の「しかし」で「惚れなおしたぜ」「殺し文句」の流れが最高すぎました。

モーガンとガルシアの楽しそうな表情!大好きだ!

 

犯人は処刑人?

では話を事件に戻しまして、新たな殺人事件は教会で発生。

遺体に刺さっていたナイフはリードによるとフリントでできており、エジプトの守りと天罰の象徴であるとのこと。

ギデオンは目隠しの内側にしか血がついていないことに気づき、殺した後に目隠しをしているという事実を発見。

さらに被害者のブリーマン神父は少年に性行為をした疑いがあったものの無罪になったという過去が。

ここから先ほどのモーガンとガルシアの会話に移り、被害者はみな容疑者になりつつ罰せられなかったという共通点があったことに気づくのです。

つまり、犯人は無差別殺人などではなく、善悪の感覚が異常な処刑人だというのです。

まず銃で相手を無力化し、フリントナイフで耳を刺すことで天罰を下し、正義の女神のように目隠しをする、というのが犯行の流れだと推定。

 

つまり、ここからプロファイルすると、本人か家族が凶悪犯罪の被害者であり、刑事司法界にいる人物が犯人

マスコミにバレないようこのプロファイルをもとに捜査を進めようとするのですが、なんとランス・ワグナーという記者が「処刑人」という言葉を使った新聞記事を書いたことにより世論が犯人を応援する形へと動いてしまうのです。

 

どんな理由であれ殺人が許されることはないのに、無罪となった人物を次々と「処刑」しているから応援するというのはつらいですよね。

特にその犯人を追っているFBIとしては、過去の無罪になった犯人たちを一度は捕まえたFBIとしてはつらいものがあると思います。

やっぱり、メディアの過激な文句に、世論の雰囲気に流されちゃだめだなぁと感じました。

 

そして、過去という点でアイオワの事件に言及されました。

それはギデオンとホッチが初めて組んだ事件で、少年2人を殺した青少年クラブの指導者が銃を保持しているところ、ホッチが説得し投降させたというのです。

しかし裁判で犯人の妻がアリバイ証言をしたことにより陪審員がそれを信じ無罪となり、結果としてさらに犯行を重ねることになってしまいました。

せっかく、犯人を捕まえたのに。せっかく、殺さずに投降させたのに。

歯がゆい気持ちが痛いほど伝わります。

そして、この話が今話の結末へとつながるのです...

 

犯人は新聞記者か、それとも自白者か

犯人がメディアと接触していないことが象徴的犯行や義務感と矛盾しているという点に着目し、FBIが公表する前に「処刑人」という言葉を使って世論を動かした記者・ランスに接触することに。

容疑者と言える証拠がない状況により、捜査に協力してほしいという名目で呼び出します。

しかしその意図にすぐ気づいたランスは怒って部屋を出ていくのですが、その様子からシロだと判断。

また振り出しに戻ってしまうのです。

 

その後、公園でまたもや殺人事件が。

警官が来たため目隠しなどの細工をする暇なく犯人が逃走したらしい、という情報を得ているところに犯人だと名乗る人物が現れます。

半信半疑なギデオンらは取り調べを行い、ひっかけでナイフを刺した場所をわざと異なる部分で聞きます。

しかし自白した犯人はそのひっかけにひっかかり、連続殺人事件の真犯人は別にいると確信。さらに謎は深まってしまいます。

 

公判記録から見えた真犯人

一方、ガルシアの"被害者は全員マンハッタン刑事裁判所で裁かれた"という情報をもとに公判記録をしらみつぶしに調べていたモーガンから朗報が。

なんと、公判を文書化するのに3~6か月かかるという理由で冒頭で殺された運転手の公判記録がないというのです。

つまり、その法廷にいた人物しか知りえなかった情報ということになり、犯人は耳を刺していたことから速記者が犯人だと断定。

 

速記者は黙々と証言を記録するため常に声が聞こえており、その声を消すために犯行を犯した。

教会での殺人事件の目撃者が見たピアノを弾くような指の動きはタイプの動きだった。

これまでの情報と辻褄もあい、ガルシアの情報から容疑者をマーヴィン・ドイルとして自宅へ突入します。

 

マーヴィンは部屋にいなかったものの、家からは100本近くのフリントナイフや酷使された速記用タイプライター、殺された両親を黒く塗りつぶした写真が見つかり、犯人であることを確信。

部屋にあった公判記録から、マーヴィンが憤慨しそうな責任転嫁を連想させる単語が含まれたものを探し、次なる犯行を予測。

すると、親殺しを虐待に対する正当防衛だと主張したテッド・エルモアの事件を発見します。

 

説得の結果

すぐさまテッドの家に連絡を入れますが、テッドは外出中だと妻から返答。

そのまま電話を続けていると帰宅するのですが、その直後に犯人も家に入って来るなり発砲。

電話越しに銃声を聞いたBAUもすぐさま現場へと急ぎます。

 

籠城している犯人をあくまでも射殺しようとする現地の警察に対し、説得を試みたいと主張するギデオン

ホッチもギデオンに同行し、銃を構える犯人と対峙します。

 

ギデオンはしゃがんで犯人と目を合わせ、説得にうつり、銃も手放します。

安らげる場所を見つけるというギデオンに応じ、銃を手放そうと銃を差し伸ばしたその時...

ホッチが、射殺してしまったのです。

 

もちろん、射殺の時を狙っていた現地警察のスナイパーの可能性もあります。

しかし、角度的に、そしてアイオワのエピソード的にホッチだと思うのです。

以前説得し生きて捕まえた犯人が無罪放免となったおかげで次の犠牲者が生まれてしまった。そうなるくらいなら凶悪犯を殺してしまったほうがいい。

きっと、ホッチはそう考え射殺をしたと思うのです。

状況的に犯人は素直に投降しようとしていましたし、ギデオンへの危険を案じて撃ったわけではないと思います。

そう考えると、やっぱり殺してしまったことに少し残念さを感じてしまうのです。

もちろん、何が正解かは分かりません。もし犯人が無罪になってしまい、次なる犠牲者が出てしまったら。そう考えると殺してしまいたくなるホッチの気持ちもわかります。

しかし、警察がそれをしてはいけないと思うのです。やはり、罰するか否かは裁判所が決めることであり、警察が刑を執行してはいけないと思うのです。

 

これについて考えているとき、ふと"どんな犯人であっても殺さない。犯人を自殺させてしまうことは殺人者と変わらない"という信念を持つコナンを思い出しました。

もちろん、コナンの世界にここまでの凶悪犯は出てこないですし、ドラマとアニメじゃ全然違いますし、そもそもコナンの舞台はほとんどが日本で銃社会ではありません。

しかし、やっぱり、犯人には生きて罪を償ってほしいと思ってしまいます。

ED前、大衆へのインタビューが次々と流れるという異例の演出でしたが、それがまさにこのことについて、そしてメディアのあり方について訴えているように感じました。

何が正解かは分からないけど、でも各々が何が正解なのかをきちんと考えることが重要だと思いました。

 

格言

殺人は人の命を奪うものだ。だから社会は被害者に代わって償いを求めるか許しを与えるべきだ。(W・H・オーデン)

Murder is unique in that it abolishes the party it injures. So that society must take the place of the victim, and on his behalf, demand atonement or grant forgiveness. (W.H. Auden)

 

心の中の暴力性は抑えるな。無気力を隠して非暴力を装うよりはいい。

暴力は反対だ。暴力がもたらす善は一時的なもの。暴力がもたらす悪は永遠だ。(ガンジー)

It is better to be violet if there's violence in our hearts than to put on the cloak on non-violence to cover impotence.

I object to violence because when it appears to do good, the goods is only temporary. The evil it does is permanent. (Gandhi)

 

最後に

リードが可愛い反面ヘビーな事件の内容でふり幅のあるエピソードでした。

こういうメッセージ性のあるお話は好みなので、いろいろ考えてしまいました。

やっぱり声の大きい人に左右され過ぎず、きちんと自分の頭で考えることが大事なんだと思います。時々、自分がそれをできているのか振り返らなければと改めて感じました。

 

今回ホッチが撃った後、誰もしゃべらずインタビューで終わるというのがとても印象的で、ホッチが撃ったことは不正解ではないけど正解でもないという上手い演出だったと思いました。

いつもなら帰りの飛行機の微笑ましいシーンでメンタル回復ができるんですけど、今回はそれがなかった。

それだけに、このエピソードで視聴者に伝えたいことがあるというスタッフや役者さんたちの気持ちを感じられます。

 

そして、いつもなら格言をギデオンが担当するのに今回はガンジーの前半部分をギデオンが、そして「暴力がもたらす善は一時的」というガンジーの後半部分をホッチが担当したというのもとても印象的でした。

言ってみれば今回ホッチは暴力によって善をもたらしたわけで。そのホッチに言わせるという最大限の皮肉ですよね。

 

今後、ホッチの秘めたる危険性(?)がどう事件解決に影響してくるのか、その点にも着目して楽しんでいきたいと思います!

 

では、お読みいただきありがとうございました!