たーこいずの宝箱

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「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」感想

映画スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」の感想です。

 

サム・ライミ版もアメイジングも何回も見ているスパイダーマン、私の大好きなヒーローです。

そんな彼がMCUに仲間入りして早数年。アベンジャーズを履修していない私にとってアイアンマンから順に見るというのはハードルが高く、トム・ホランド版が気になりつつもなかなか手をつけられずにいました。(背景を知らないのにいきなりホームカミングを見る気にはなりませんでした)

 

しかし!ドック・オクら過去のヴィランが出る新作が公開されると昨年末あたりに知り、これは観るしかない!!とついに重い腰を上げてアイアンマンから順にアベンジャーズを制覇しました。

そしてついに、新作のノー・ウェイ・ホームにたどり着いたわけです。

いやもう最高過ぎました。ちゃんと履修してよかった。やっぱりスパイディが好きだ。

(ちなみに、もれなくアベンジャーズにもハマってしまいました。もっと早くから見とけばよかったと後悔してます。好きなキャラを1人あげるならキャップです)

 

では、以下ネタバレあり感想です。触れないわけにはいきませんので、過去のMCUと歴代スパイダーマン作品のネタバレもしてます。念のため。

 

 

アベンジャーズとしてのスパイディ

感想いっぱいあって収集がつかなくなりそうなのですが、まずはアベンジャーズに仲間入りしたスパイディ関連について。と分類しつつもぐっちゃぐちゃになる未来が見える...

 

まずドクター・ストレンジとスパイディの絡みが良かったですよね~!

トニーとスティーブがいなくなった今、アベンジャーズを率いるのはスパイディとドクター・ストレンジだと思っていましたので、ついに共演するのか!と興奮しました。

 

パンフレットのインタビューでも触れられていましたが、エゴの塊であるドクター・ストレンジが高校生であるスパイディの前では指導者になる、というのがよかったですよね。

しかしながらウォンに止められても禁断の呪文に手を出そうとするドクター・ストレンジもなかなかの突っ走り具合ですから、スパイディのことを子どもだと非難しっぱなしというわけにもいかないところが面白い。

まだ君は子どもだったな、と改めて認識するというのが良かったです。

 

そして何よりの絡みはドクター・ストレンジとの対決でしょう!

ファー・フロム・ホームでもドローンの生み出す映像との対決により素晴らしい映像美でしたが、今回はドクター・ストレンジということで負けじと美しかったですね。

 

一番強いと思われるドクター・ストレンジに数学で勝つなんて、最高すぎませんか?

魔法にかなうものはないと思っていましたけど、そんなことはないんだと教えてもらいました。

正確なセリフは忘れてしまいましたが、「最後は数学が勝つんだ」と言って縛り付けたドクター・ストレンジを残して去っていくピーターがカッコよすぎましたね。

天才でオタクなピーターを感じられて嬉しかったです。

そんな化学オタクぶりは2人のピーターと治療薬を作るシーンからも感じられましたよね。

あくまで科学で勝負するという姿勢がスパイディらくして、ピーター・パーカーらしくて良かったです。エレクトロに勝つため試行錯誤していた"アンドリュー"ピーターを思い出してなんだか勝手に感動しちゃいましたもん。

 

案の定脱線したのでアベンジャーズ関連に話を戻しますと、かしこまらずに「スティーブンと呼べ」と言うのがとっても良かったですね。

ピーターにがっかりした時には敬えと正したものの、結局は治療に成功したスパイディを認めてまたスティーブンと呼ばせる流れがたまらなかったです。

だからこそ、この結末だともう2人の絡みも見られないのかな...と寂しい限りです。術を使った本人は覚えているとかないのかな?(そんな都合いいわけない)

 

それと、まさか指パッチンのせいでウォンが一番偉くなっていたとは。笑

でも相変わらず偉そうなドクター・ストレンジがいいですね。ウォンも諦めてるっぽいし。

この二人組好きなので次作も楽しみです。ピーターのために禁術を使ったせいでドクター・ストレンジがなかなか大変な事態に巻き込まれそうですね。

ドクター・ストレンジが都合のいい人だけは記憶をなくさないでというピーターのわがままを聞いてくれようとしたのが意外でしたが、そのせいで後処理が大変なことになってしまって災難ですよね...それも指導者の宿命なのかも。

ま、言ってしまえばちゃんと説明する前にいきなり術を始めちゃったのも悪いので、これをきっかけにドクター・ストレンジ指導力もアップすることでしょう。笑

 

スパイダーマンとしてのスパイディ

では!どう考えても100%長くなるメインの感想を!!

ドック・オクが橋で出てきただけでも嬉しかったですが、直後に橋でちらっとグリーン・ゴブリンが出てきて歓喜しましたよ。

しかも1人ひとり順に倒していくとかじゃなく、こんなにも次々と出てきちゃっていいの?カオスにならない?という私の杞憂などいらぬ心配でした。もう満足でしかなかったです。

 

MCUマルチユニバースという世界は、どうしてもご都合主義な感じがしていて、いやそれ言ったらなんでもありじゃん...と思っていたのであんまり好きじゃなかったのですが、今作はそれを逆手にとったストーリーで素晴らしかったですね。

マルチユニバースだからこそ実現する、過去作との共演。共存。

まさか過去のヴィランが単純に再度描かれるだけじゃなくて、別世界のピーター・パーカーとやりあっているままこの世界に来ちゃうなんて。

ドック・オクが俺の知ってるピーター・パーカーじゃない...となった時、それを察して大興奮しました。

こんなにも大興奮できたのは予告も含め限りなく情報をシャットアウトしておいたおかげです。良かった。

 

そしてもちろん大興奮したのは、というか感動したのは2人のピーター・パーカーの登場ですよね。

ネッドが呼び出したピーター・パーカーが路地から歩いてくる様子からして、え??もしかして???と思いましたが、マスクを取った瞬間、思わず息をのんでしまいました。

アンドリュー・ガーフィールド!!まじかよ嬉しすぎる!!ともう嬉しさと感動でいっぱいでした。

なのに蜘蛛の巣掃除させられるというコメディも忘れないのが流石スパイダーマン。笑

 

そして、もう一度ピーター・パーカーを呼び出すと今度は私服姿の男の人が...

いやもう、"トビー"ピーターが私服姿で登場するのは解釈一致すぎで悶えました。

トビー・マグワイヤであることを認識した時の感動と言ったら...

"アンドリュー"ピーターが出てきたときに期待と諦めが半々だったんですよ。だからこそ嬉しすぎた。まさかまた"トビー"ピーターが見られるなんて。

ちょっと痩せて大人になったトビー"ピーター"に感無量でした。あの微笑み。そうだよあの笑い方だよ!

アメイジングももちろん大好きですが、やはりスパイダーマンと言ったら元祖のサム・ライミ版を連想する私としてはもう感動でしかなかったです。

 

ネッドにスパイダーマンなら言ってよ!と言われた"トビー"ピーターが、簡単には正体を明かさないよと答えたのが最高でした。

そうなんですよ、やっぱりサム・ライミ版が一番ピーター・パーカーを上手く描いていて、ピーター・パーカーであるからこそのスパイディであり、正体を明かさない親愛なる隣人なんですよね。

もうこの時点で感動してしまって感情があふれ出しそうでした。

 

大学に入れないと知ってスパイダーマンとして解決しようとした"トムホ"ピーターは、ピーター・パーカーとしての自我がスパイダーマンとしての自我に負けていました。自分の価値はスパイダーマンであることにこそあると思っていました。

でも、スパイダーマンはピーター・パーカーであるからこそであり、ピーター・パーカーの自我がスパイダーマンにも影響するのだと、それを最大限に表現していたのが"トビー"ピーターです。

だからこそ、今回「全員が忘れる」ことでピーター・パーカーとしての自我を取り戻し、スパイダーマンであることの前にピーター・パーカーであるという原点回帰したこの結末は素晴らしいと思います。

 

歴代ピーター・パーカーがそろい、悲しみにくれている"トムホ"ピーターを慰めに行ったシーン。

「大いなる力には」とメイおばさんに言われた言葉を言おうとした"トムホ"ピーターの言葉を続けて「大いなる責任が伴う」と"トビー"ピーターが言ったのがダメでしたね。

メイおばさんが亡くなってしまったときにあの名台詞をついに言ってしまったか、と少し複雑な気持ちになっていましたが、まさか"トビー"ピーターに言葉を続けさせるための伏線だったとは。

やっぱり"トビー"ピーターが言うと言葉の重みが違います。

 

そして、メイおばさんを亡くした気持ちなんてわかるわけない、と自暴自棄な"トムホ"ピーターに対し、自分のせいでベンおじさんを亡くした、自分のせいでグウェンを亡くした、と2人が言うのが切なくて感動でした。というかもう2人が登場してから感動しかなかった。

自分の身勝手な行動のせいで大切な人を亡くし、復讐心が芽生え道を失いかけ、ヒーローであることと自分の人生に葛藤しながらも重い十字架を背負って親愛なる隣人として活動していく、この大前提をやっと"トムホ"ピーターも通過することができたわけです。

もちろん"トムホ"ピーターもトニーを亡くしていますが、やっぱりあれは自分のせいではなかったしどうすることもできなかった。

けれど今回は違う。自分が蒔いた種によってメイおばさんを亡くしてしまう。

最後にお墓の前でたたずむ"トムホ"ピーターを見て、あぁスパイディはやっぱり十字架を背負う運命なんだ、それでこそスパイディだと感じました。

サム・ライミ版もアメイジングもやっぱりお墓のシーンって象徴的でしたもんね...

 

先ほどもちらっと触れましたが、ラボで治療薬を開発するピーターたちが良かったですよね。

MJと仲良さそうにする"トムホ"ピーターをまぶしそうに見る"トビー"ピーターと"アンドリュー"ピーター。

特にグウェンを亡くしている"アンドリュー"ピーターの表情が切なかったです。そんな"アンドリュー"ピーターに恋人はいるの、と聞く"トビー"ピーター!ちょっとそんな質問するのやめたげてよ!とつっこんじゃいました。

けれど"トビー"ピーターもちゃんとした恋人関係にはなっていないわけで、やっぱりスパイダーマンであることとの両立は難しいのだなと...そしてこれが結末への伏線になっているわけですよ...歴代の先輩が教えてくれていた...

 

そんな2人の想いが報われるというか、浄化されるあのシーンは最高でしたね。泣けます。

まずは"アンドリュー"ピーターがMJを救ったシーンですよね。多分私的には今作品の中で1番心がぎゅっとなったシーンです。おそらく全観客の心が掴まれた。

MJが落ちて、そんなMJを追って"トムホ"ピーターも落ちて、糸を伸ばそうとしたその瞬間、グリーン・ゴブリンが"トムホ"ピーターをさらうわけですよ。

あの時全観客が息をのんだと思います。まさかアメイジング的結末ではないよな?と。

そして次の瞬間、"アンドリュー"ピーターがMJを助けに向かい、無事間に合うのです。

救えた時の"アンドリュー"ピーターの表情と言ったら...救えてほっとしている感情と、なぜあの時グウェンを救えなかったのかという感情がぐちゃぐちゃになっている顔でした。演技が素晴らしすぎました。

最初は今度こそ救えてよかったね!これで罪悪感もぬぐえたね!と安心した、やりきった表情の"アンドリュー"ピーターに思うわけです。でもその直後、やるせない自責の念を思わせる微妙な表情に変化することでそんなに簡単な感情ではないことに気づかされるのです。

今度こそ救えたからこそ、救えなかったあの時が際立ってしまったのです。

でも、それでもやっぱり、今度こそ救えてよかったと思います。

 

そして"トビー"ピーターは復讐心でグリーン・ゴブリンを殺してしまいそうになる"トムホ"ピーターを止め、ノーマンを救うことに成功

仕方なかった、自業自得だったとはいえノーマンを死なせてしまい、それによって親友のハリーも死んでしまうという結末を迎えた"トビー"ピーターにとって、ノーマンを救えたというのは大きな意味を持ちます。

それを思わせる"トビー"ピーターの表情にまた感動してしまいました。ずっと親友の父を死なせてしまった、死ぬことを防げなかったことを後悔していた"トビー"ピーター思いが浄化されるわけです。

背後からグリーン・ゴブリンに刺されたことでむしろほっとしたともいえる表情を見せた"トビー"ピーターに、ずっとずっと後悔していたのだと改めて気づかされました。

"アンドリュー"ピーターがMJを救う場面とともに、トラウマと化していたシーンを見事"治し"てくれました

 

復讐しようとする"トムホ"ピーターを、その道を歩んできて後悔している先輩ピーターらが止める、というのがいいんですよ。

実際、ぎりぎりまで"トムホ"ピーターは復讐を果たそうとします。我を忘れて、引くくらいにグリーン・ゴブリンをボッコボコに殴ります。

でも、歴代ピーターらがいたおかげで復讐を遂げることまではしないのです。

スパイダーマン通過儀礼である、自分勝手な行動により大切な人を亡くし、復讐心に苛まれ、ヒーローとしての生き方に葛藤しながらも十字架を背負いながら親愛なる隣人として生きていく、これを今回ついに経験するわけですが、実際に復讐に手を染めることをしなかった。これは2人がいたからであり、新しいスパイディの誕生なのだと感じました。

 

そもそも、ヴィランを倒そうとするのではなく、治そうとするのが親愛なる隣人たるピーター・パーカーらしさが出ていていいですよね。

スパイダーマンヴィランってみんな最初から悪だったわけではなくて、事故に巻き込まれたとかクビにされたとか、ちょっとしたきっかけで悪の道に進んでしまっただけなんですよ。

だからこそ、そんなみんなを救おうとする、そして実際に救うピーター・パーカーらが最高でした。

また、治すのが自分が相手していたヴィランだったというのが憎い演出ですよね。こんんなの感情移入するしかないですもん。

 

ドック・オクが最初に治って、ピーター・パーカーらを助けるというのも、自我を取り戻し装置とともに川へ沈んだサム・ライミ版を思わせるストーリーで良かったと思います。

ただ、少し気になったのはスパイディと和解して消えたはずのサンドマンはなぜスパイディに敵対していたのか?

和解する前にこの世界に飛ばされちゃったということでしょうか?まぁ細かいことは気にするな、ですね。

それと、エレクトロも同じ俳優さんなのですよね?雰囲気変わり過ぎててちょっと残念でした。

 

最後、世界が崩壊することを防ぐため、全世界がピーター・パーカーの存在を忘れてしまうことを選んだ"トムホ"ピーター

必ず見つけて事情を説明してやり直す、と約束して別れたわけですが、ネッドと幸せそうに平和に過ごしているMJを見て仲良くなることをやめるのです。ネッドがちらりともこちらを見ないのが切ない。

もう、このシーンも泣きますよ。散々今まで感動させておいて、最後の最後にこれってダメですよ。歴代ピーターの歩んできた道を踏まえてのこれは、もう泣くしかない。

自分が贈ったネックレスを見て、おでこの傷に気づいて、"トビー"ピーターと"アンドリュー"ピーターが大切な人を亡くしたと言っていた話を思い出して、メイおばさんを亡くしたことを思い出して、ピーター・パーカーとしてだとしても近づくことをやめるのです。

自分と仲良くしていたら巻き込まれるかもしれないから。正体を隠していたとしても、危険な目に遭わせてしまうかもしれないから。そう歴代ピーターが通ってきた道のように

 

そしてボロアパートに引っ越し、高卒認定試験の勉強をしながら、親愛なる隣人としての活動を続けることに決めるのです。たった一人で。

最後に着ていたスーツがトニーに貰ったものでも、トニーの技術を借りて作ったものでもなく、自分が手作りしたものというのがとてもよかったですね。

原点に戻って、親愛なる隣人としての道を進むんだ、誰かに用意された道ではなく、自ら選んだ道を進んでいくんだということがありありと伝わってきました。

メイおばさんに言われた「救い」を選択したことで大切な人を失うという結果を招いたけれど、それを赦すことで前へと進む。

愛する人を守るため、この街を救うため正体を明かさずに今日も「親愛なる隣人」でいる。

これぞスパイダーマンです。

 

最後に

いやもうまだまだ語り足りないですが、もうこれ以上書いていると本当に終わらなくなってしまうのでこのあたりで。

最後に、書くところが見当たらなかったのでここで。

トムホ、やっぱり演技うまいですよねぇ。ムズムズことスパイダーセンスでグリーンゴブリンに気づくシーンは最高でした。あの緊迫感たまらなかったです。

最後にMJとネッドを見て決意するシーンとか、ボロアパートに入っていったときとか、メイおばさんが亡くなるシーンとか...新スパイディがトムホで良かった。ネタバレは怖いけど。笑

 

あとは、ハッピーがこれからも出てきてくれるのかがちょっと心配です。きっとMJとネッドは記憶をなくしても出てくるとは思うのですが、メイおばさんがいなくなってしまったのでハッピーはどうなるのだろう。トニーもなくしてしまったハッピー、不幸続きで心配です。幸せになってくれるといいな。(駄洒落ではない笑)

 

4まで製作予定だったサム・ライミ版。3まで製作予定だったアメイジング

絶大人気なのにもかかわらずMCUに入れていなかったスパイダーマン

大人の事情に振り回されまくってきたスパイダーマンですが、今回は無事一区切りを迎えられて本当に良かったです。まだまだ伏線は残っていますし、次作がいまから待ち遠しいですが、まずはこの結末を迎えられたことに感謝です。

こんなにもお祭り騒ぎをしてしまって、これ以上のスパイダーマンを作れるのか若干不安ですが、やっと真の「スパイダーマン」となった"トムホ"ピーターにまた会える日を楽しみにしています。

 

では、お読みくださりありがとうございました!