もうすぐ今年も終わります。
ということで、私の独断と偏見による、私の個人的な今年公開の映画ベスト5を紹介したいと思います。
が、最初にお詫びしなければならないことがありまして...(ここからタイトル画像まではうだうだ喋ってるだけですので、ランキングのみ見たい方はすっとばしてください。)
今年、例年に比べて劇場へ行けた回数が減っておりまして、必然的に今年公開の映画は見たいと思っていたのに見れていない作品がいくつもあるんです。
例えば海外作品で言えば『ヒットマン』や『憐みの3章』、『花嫁はどこへ?』、『僕とパパ約束の週末』などなど、見たかったのに見れていないんです。
『僕とパパ約束の週末』はまだ公開している劇場もありそうですが、私の行ける範囲ではもうやっておりません。
というか、そもそも公開してくれる劇場が少なすぎません???そして少ないにもかかわらずすぐに公開終了する。
『花嫁はどこへ?』なんて、たしか公開3週目でもう見れなくなってたような。サイトで公開終了日未定となっていたので余裕こいてたんですけど、いつの間にか上映スケジュールに載っておらず...最近インド映画にハマり始めているので、見れなかったのが悔しい。
『憐みの3章』もねぇ、『哀れなるものたち』は日本公開も長かったので楽観視していたら、あっという間に終了してましたね...見たかったよ~~~
そのくせアニメとかはめっちゃロングランかつ複数スクリーンおさえてたりするじゃないですか。
私も名探偵コナン好きですし、ハイキュー!!とかも見に行ったのでアニメ人気なのは嬉しいですけど、でも程度ってもんがありません...?最近半年くらい公開してたりしますもんね。ちょっとくらい海外映画に分けてくれよ!!!
それと、『ウルフズ』の劇場公開中止も悲しすぎたなぁ。ついに日本はジョージ・クルーニーとブラッド・ピットの映画までやらなくなるのか終わってんな!!!と思っていたら、そもそもアップルが配信に切り替えたらしいですね。
なんでも『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』の興行が芳しくなかったとかなんとか。私は結構いい映画だと思ったんですけど、世間は厳しいですね。
この流れで配信ばっかりになったら嫌だなぁ。映画館で見るからこその良さがあるのに。
と言いつつ、映画1本見るのに2000円もかかるようになってしまい、私も見る映画を吟味し出したのは事実です。映画が安くなる曜日に行ったりレイトショー狙ったり努力はしてるんですけど、それでも見ないことを選択してしまった映画は去年以上に増えてしまいました。こういう方法をとりはじめると、思わぬ良作に巡り合いにくくなってしまうので、本来はちょっとでも気になったら見たいものですが。
そして安い日を狙って行こうと日程とにらめっこしているうちに劇場公開が終了してしまうというね...
来年はここを反省して、公開したらなるべくすぐに見に行くようにしなければと思っております。
と、うだうだ愚痴を言っておりますが、つまり今年のランキングは私的に不完全なんです。見れなかった映画がランクインしてた可能性は大いにあると思うのです。
なのでそもそもランキング記事を書くのをやめようかとも思ったんですけど、でもやっぱり見れなかったということも踏まえて1年を振り返りたいので、記事を書くことにしました。
では、以下ネタバレなしのランキングです。
- 番外編①:パーフェクト・デイズ
- 番外編②:青春18×2 君へと続く道
- 番外編③:インサイド・ヘッド2
- 番外編④:フォールガイ
- 5位:哀れなるものたち
- 4位:アーガイル
- 3位:オッペンハイマー
- 2位:サウンド・オブ・フリーダム
- 1位:ラストマイル
- 最後に
今回めちゃくちゃ悩みました。
なので禁じ手ですが、番外編として本当に僅差でランクから漏れたものの、ランクインさせたかった4作品を(も)紹介します。
番外編①:パーフェクト・デイズ
いやぁこれは役者・役所広司を堪能する映画です。ラストシーンの演技にすべて持っていかれました。
公衆トイレの清掃員をしている主人公・平山の日常をただひたすら追うストーリーなんですけど、毎日同じ繰り返しのように見えて、些細な喜びを、今この瞬間を楽しむ平山の生き方に「何も変わらない」「また今度でいい」なんてないんだなと思わされます。
ただ、一点不自然で違和感を感じたのは公衆トイレなのに吐しゃ物や汚物が一切映されなかったことですかね。元々The Tokyo Tilet プロジェクトの広告を作ってほしいという話から映画になったらしいので、そういう意味であえて映さなかったのかなぁとか考えてしまいました。ので惜しくもランクインせず。
平山がカセットで日替わりに曲をかけるんですけど、選曲がまたいいんですよ。
番外編②:青春18×2 君へと続く道
台湾の高校生ジミーが日本から来たバックパッカーのアミと出会い、恋をして、現在のジミーがそんな過去を振り返りながら、アミの故郷を旅するという物語。実際の人物のブログがきっかけなんだとか。
18×2とは、私の解釈では18歳と36歳という意味だと思うんです。思い出が18歳で、現在が2倍の36歳。当時は気づけなかったことに気づいたり、違う考え方になったりする年齢。
アミはなぜ突然帰国してしまったのか?段々展開は読めてしまうんですけど、それでも涙が止まりませんでした。映像の、18歳の暖色と36歳の寒色の対比がとても美しかった。
それにしても、「君へと続く道」とかいう邦題のダサい感じはなんとかならないもんですかね。
番外編③:インサイド・ヘッド2
大ヒットを収めたインサイド・ヘッドの続編。
続編が作られると聞いてまたか、金儲けかとがっかりしたんですけれど、今作を描くための前作だったんだなぁと思うくらいにぐっときました。金儲けかとか思ってすみませんでした。
思春期を迎えたライリーにはヨロコビ・カナシミ・イカリ・ムカムカ・ビビリではない新たな感情が芽生え、新しい感情とうまくやっていけないヨロコビたち。ライリーの幸せを守ることができるのか?
不要な感情なんて、いらない思い出なんてないんだと、これまで生きてきた自分を抱き締めたくなります。
それと流石はピクサー、2Dアニメやゲームキャラの映像がま~美しくてほれぼれしました。
番外編④:フォールガイ
スタントマンをしていた主人公は大けがをきっかけに退いていましたが、とあることをきっかけに現場へ戻ることに。その現場にはかつての恋人もいて、何とか頑張って気を引こうとする傍ら、とある事件に巻き込まれ...
映画愛に溢れた映画!エンドロールではさらにそれを感じます。
音楽や画面分割など随所で笑えて楽しい映画です。スタントマンならでは、たくさんのアクションも堪能できます。使われていた音楽が聴きたくなって、長い事リピートしてました。
5位:哀れなるものたち
自殺した主人公は天才外科医バクスターにより生き返り、ベラとしての人生を歩むことに。ベラは世界を自分の目で見たいという欲望にかられ、お金持ち・ダンカンに誘われ世界への旅に出かけるうちに、様々な経験を経て成長していく物語。
と書くと聞こえはいいんですけど、この映画は見る人を選びますねぇ。はっきり言えばとにかくセックスシーンが多い。最初ははじめての感覚に興味津々な思春期の男の子って感じなんですけど、いろいろな人たちと出会い経験を積むことで成長を遂げ、社会の構造の闇みたいなものを学んでいく物語なので、そのシーンも必須なんですよね。そういうシーン以外にも、そもそもの設定がブラックユーモアすぎて最後は最早ホラーな独特すぎる世界観なので、本当に見る人を選びます。
偏見を持たず純粋な気持ちで学ぶこと、反省して改善することの大切さ、それを実行する凄さを感じます。エマ・ストーンの成長していく様、内から発せられる美しさを感じる演技が本当にすごいです。
4位:アーガイル
スパイ小説家の主人公・エリーが小説とそっくりな現実のスパイ世界に巻き込まれるお話。
まず設定が面白いんですよ。小説家なので知識はあるけど全然動けなくて、そんな主人公を本物のスパイが助けるという。小説の登場人物が主人公に脳内で語り掛けてくる演出が最高です。
あと曲も最高。ビートルズの新曲が流れた時は「めっちゃ金かけてんなぁ」と笑いそうになりましたけど、この曲に持たせた意味がもう最高なんですよね。主題歌は中毒性があって、一時期その曲ばっかり聞いてました。
ありとあらゆるサム・ロックウェルが見られるのは最早ファンサービスです。頭からっぽにして見られるとにかく楽しい映画。
3位:オッペンハイマー
原爆を開発した科学者・オッペンハイマーを描いた物語。
原爆や戦争そのものを題材にしているわけではなく、オッペンハイマー自身の物語、そしてオッペンハイマーと対立したストローズの物語だからこそのメッセージ性。
エンドロールへの入りがとても効果的だったなぁと。なぜ過去から学ばず前進できないのか。現政治への批判を感じました。だからこそのこういう描き方だったのだろうなと。
2位:サウンド・オブ・フリーダム
少年少女を売春する組織に誘拐された子どもたちを救うため、アメリカの警察官・ティムが国を越えてコロンビアまで単独潜入するお話。
このお話が実話ベースというのが何とも重い。劇中では実際の映像も使われていて、現実なんだと突きつけられる。
けれど、前向きな終わり方だったのがとてもよかった。エログロシーンは徹底して映さないというのも、製作陣が何を伝えたいのかが明確になっていてよかったと思います。
タイトルの意味が分かった時、なんだかじ~んとしましたね。
本編はもちろん、エンドロールでのメッセージにはより心を打たれましたねぇ。スマホ厳禁な劇場でQRコードを読ませるというのはうーん、という感じですけど面白い取り組みだと思いました。
「映画」の力を、「映画」の意義を感じる映画でした。
1位:ラストマイル
脚本家・野木亜紀子の過去作『アンナチュラル』と『MIU404』とのシェアドユニバースということでも話題になった今作。
ブラックフライデー前夜、配達された段ボールが爆発し、連続爆破事件と発展する物語。
アンナチュラル勢もMIU404勢も必要だから登場するのであって、彼らはあくまで彼らの世界で仕事をしているのであって、ファンサービス的にこれみよがしに出てくるわけではないところが好印象でした。そしてドラマからの時の流れを感じられたのがドラマ好きだった私としてはもう嬉しくて嬉しくて。
そしてメインは、メッセージ性が素晴らしかった。社会の闇を描き、単なるハッピーエンドで終わらせない、まだまだ問題は根本解決してませんとしてラストにするところが素晴らしかった。でも、押しつけがましくないといか、重すぎないんです。考えたくない人やそもそもそういう発想に至らない人にとっては単なる娯楽映画としても収まる。(まあ正直この映画を見てなんの考えにも至らない大人は、「幸せ」な人か自分以外のことを何も考えない人のどちらかでしょうね。もしくは働いたことがない人。)このシリアスさとエンタメ性のバランス感が流石だと思いました。
それともう予告映像でも出演が明らかにされてますので言及しますが、中村倫也が登場した時には声出ましたね。ものすごい演技力を発揮しております。
この映画を見て、考える人が、ちょっとした行動に移す人が増えて、社会が少しでも良い方向に変わるといいな。
最後に
今年公開ではないけれど、私が今年初めて見た映画ベストは『キングスマン』です!
『アーガイル』がすごく面白かったのでHuluで見たんですけど、まあめちゃくちゃ面白くて、これまで見ていなかったことを後悔しました。今度からこの監督さんもチェックしなければ。
もちろんタイトルもなんとなくの設定も聞いたことがあり、大人気だとは知っていましたが、そりゃ人気だわと納得。
ああいうお店の裏は実は...とか、英国紳士に見える人が実は...みたいなのって、何歳になってもワクワクしますよね。それとバディものってのが最高でした。
来年も、たくさんの素晴らしい作品に出会えますように!
では、最後までお読みくださりありがとうございました!