海外ドラマ「SHERLOCK/シャーロック」シーズン3第1話「空の霊柩車(The Empty Hears)」感想です。
衝撃のクライマックスを迎えた前シリーズ。
今回のお話は事件そのものというよりはその後の2人のお話という感じで、もう終始ニヤニヤしてましたね😂ほんとに仲いいんだからもう...
では、以下ネタバレあり感想です。
2年越しの再会
ホームズが屋上から飛び降り自殺したと見せかけてから2年後。
警察の捜査でモリアーティの自作自演であることが明らかとなり、ホームズは無実であったことが世間的にも明らかになりました。
ホームズは命綱づきでバンジージャンプをしてモリ―の待つ病院の窓を蹴破って中に入りモリ―にキスして立ち去るホームズ、代わりにモリアーティの死体にホームズのお面を被せたものを地面に置いてワトソンらを欺いた。
と自分の推論をレストレードに聞かせるアンダーソン。いやお前の想像かい!だからモリ―にキスしてたのか納得だよ。笑
しかし、レストレードは、モリ―が検視までしているのだから死んだことが事実なんだと、悲しい程にホームズが生きていることを信じるアンダーソンに言います。
アンダーソン、あんなに嫌なやつだったのに、自分のせいでホームズを追いつめたという自責の念にかられて、豹変と言ってもいい姿になっちゃって...鑑識ももうやめたのかな、心配になるよ。
見た目が変わったのはアンダーソンのみならず、ワトソンも。
鼻の下にひげを割とぼさぼさに生やしておりまして、まぁこれが似合ってない。きっと新しい人生を歩もうとして、見た目からでも意識を変えた結果なのだろうけど、それにしても似合ってない。シリアスな表情をすればするほど笑えてくる😂
ワトソンは久しぶりにベーカー街221Bを訪れ、ハドソン夫人に心配したんだからと怒られます。
そりゃホームズを思い出すあの空間から離れたくなる気持ちもわかるよ...けど取り残されたハドソン夫人もより悲しいもんね。そんなハドソン夫人にも髭は老けて見えると一刀両断されます。笑
ワトソンが久しぶりにハドソン夫人を訪ねた理由は、結婚をしようと思っているからでした。そのお相手はメアリー。ついに!「四つの署名」で出会い、結婚したお相手と同じ名前の女性です。
一方、ホームズはモリアーティの組織を壊滅させるため、髪の毛やひげがぼーぼーというこれまた豹変した姿でとある場所で拷問を受けておりました。
拷問をする人に「奥さんの浮気現場をおさえるなら今だ」と声をかけたのは看守に化けたマイクロフト。「地下テロ組織の活動があるからロンドンに戻れ」と指示を出すのです。
いや、浮気現場おさえに行くために拷問ほっぽりだせるなんて、結構楽な職場だな!?
ロンドンに戻ったホームズは、マイクロフトの部下たちに身なりを整えてもらいながらマイクロフトと会話。
「介入するのが遅すぎる。拷問されるのを楽しんでいただろう」、いや流石に弟が拷問されるのを楽しむわけ...いや、マイクロフトならありえるな。
また、「セルビア語を話せたんだな」と言うホームズに対し、「2時間で覚えた」と天才発言をするマイクロフトですが、「衰えたな」と言われる始末。しかし、本人も「年をとったからな」とむしろホームズの発言を受け入れているのです。いややっぱこの兄弟異常だわ。
そんなマイクロフトから、ワトソンが今夜行くレストランを聞き出したホームズは、本人を驚かせてやろうと乗り込む気満々。
いやいや、あなたなんで喜んでもらえると思ってるのさ...特にワトソンの性格を考えたらなおの事さ...まあこの無邪気さが可愛いんだけどね。
緊張した顔でメアリーを待つワトソンを見つけ、するすると様々な客から盗みを働いて給仕に変装し、ワインを勧めるホームズ。
しかし、緊張しているためホームズを見向きもしないワトソンは気づかず、気づかないホームズは驚きつつもひとまずその場を離れます。
そしてやってきたメアリーに対し、プロポーズをしようと試みるワトソン。まさに今...というその時、邪魔しにやってきたホームズ😂
プロポーズを失礼でしつこい給仕に中断されたワトソンはやっとホームズであることに気づき、言葉を失います。
そして戸惑いや安堵など様々な感情の中、最後にやってきたのはやっぱり怒り。ホームズはいろいろ話しかけていますが、全く喋らないワトソンが怒っていることに流石に気づき、(ホームズにしては)割と本気で謝罪。
しかし、「怒る前にひとつ言わせてくれ」とホームズが前置きして言ったのは「髭そらないの?」
これにかちーんと来たワトソンは、ついに爆発しホームズに殴りかかります。
もうこの時のマーティン・フリーマンの演技が最高なんですよ。様々な感情が渦巻きつつもやっぱり怒れてきて、その怒りを律しようとしているけれどあふれ出しちゃう感じ。素晴らしかったです。
騒ぎを起こしたためランクの下がった飲食店に店を変え、再度話す3人。
あくまでどうやって自殺を偽装したかの解説をしようとするホームズに対し、ワトソンは「なぜ黙っていたのかが聞きたいんだ」とイライラ。
誰が知っていたのか、という話になり、この案を提案したマイクロフトと協力者のモリー、そしてホームレスが25人というところでまた殴ってしまうワトソン。
そうだよなぁ、ホームレス25人も知ってたのかよ、しかも”たった”25人だよみたいな言い方されたらかちんときますよねぇ。
さらにランクの下がったお店でまた話をするも、テロ組織の捜査に君も協力したいだろう?と"協力してください"というお願いベースではなく"したいでしょ?"と上から目線なホームズに対しまた怒れてきたワトソンはついに頭突き。
もうホームズの鼻血がとまらん。
そんなホームズを看病するメアリーは、この2年、ずっとつらかったのよとワトソンを擁護しつつ、タクシー乗車後はホームズのことを気に入ったとワトソンに言います。この女、2人の間をとりもつめっちゃ有能な女や...!
メアリーを観察するホームズは様々な情報を読み取りますが、私は「猫かぶり」とか「ウソつき」とかがあったのが気になりましたね~今回のお話では、全体を通していい人って感じでしたけど、裏があったら嫌だなぁ。でも、ホームズがワトソンに止めとけと言っていないので、きっと大丈夫でしょう。
といった形でワトソンには振られてしまうホームズですが、レストレード警部にはハグで向かい入れられ、ハドソン夫人には悲鳴を上げられます。
相変わらずレストレードのファーストネームは覚えていないホームズでしたけど、レストレードのあの嬉しそうな顔、本当によかったなぁ。心がほっこりしました。
ハドソン夫人が気絶しそうなくらいに驚くというのは、原作でホームズが生還した「空家の冒険」ままですね。また、ハドソン夫人が警戒したホームズの人影についても、「空き家の冒険」では事件解決にあたり結構重要だったりします。
そうそう、ワトソンがベーカー街221Bに住んでいないと知ってホームズががっかりするのも、原作どおりですねぇ。
仮の相棒
ホームズの生存を信じ、自分の推論を披露し合うオタク集団、「空の霊柩車」。これ、日本語だとあまりぴんとこないんですけど、英語だとわかりやすくて。
「空の霊柩車」がThe Empty Hearse、「空き家の冒険」がThe Adventure of the Empty House、すごく似てるんですよね。いやぁつくづくセンスあるなぁと思います。
その集団の1人がワトソンをホームズ人形で騙し、自分はモリアーティとキスするというまさかのBL展開を披露したのは笑いました。その世界線もありえそうだな~
ホームズが1人ベーカー街221Bで地図と写真を広げテロ組織の動きを推理しますが、その時のセリフが印象的でしたね~
「ロンドンは巨大な汚水だめだ」「犯罪者、諜報員、浮浪者が流れ込んでくる」ここは小説「緋色の研究」でワトソンが語っていたセリフですね。
そして「犯人は誰かという問題ではない。事件を察知する者が重要だ」「行動が指標となる人々がいる」。うーん深い!
ホームズの進捗状況を確認しに来たマイクロフトとチェスをしながら話をしてると思いきや...人の臓器をぴったり入れるゲームでした😂天才2人で何遊んでんねん。
その後もゲームをしよう、と依頼人の忘れ物の帽子で推理ゲームをする2人。原作でも物から持ち主を推理する場面はたくさんありましたが、やっぱりわくわくしますね~!
この推理ゲームではやはりマイクロフトの方が上手。流石だ。しかし、「孤独な人」と推理したからこそブーメランなのが辛い所ですね。ホームズすら自分よりもバカなんて、会話が楽しい人がいないのはつらい。
友達を作らせるために親が初めて他人と関わらせたときに「金魚並みのバカだ」と思ったとのこと。どんな教育をしていたらこうなるんだ。
しかし、ロンドンに遊びに来ていた両親はいたって"普通"。本当になんでこんな兄弟ができあがったん?ラストでレ・ミゼラブルを見る親の相手に疲れているマイクロフトが微笑ましかった。
ハドソン夫人から、ワトソンともきちんと話してあげてと言われるホームズ。
この場面、本当に面白くて笑い声あげてました。病院でのワトソンの会話とホームズの話がうまいことつながっていて。
ホームズが「彼が頑固で」と言うとワトソンは中指を立て、ハドソン夫人からの「ワトソンは何て言ったの?」という質問に対しホームズが「ファッ」ワトソン「コフ(咳)」つまりファックオフ→ハドソン夫人「やだ下品ね」ホームズ「あいつに浴びせたい」ワトソン「おしっこを」
もう本当に連携プレイかよ仲良すぎる面白い😂
そんなワトソンは仕事中に来た患者さんから、おすすめのオトナDVDを3つ紹介されますが、ワトソンはホームズがまた変なことして自分に構ってもらいにきたと思い込んでしまいます。可愛いなおい。
これは原作「空き家の冒険」でワトソンを驚かせるため老人に化けたホームズがタイトルを上げる書籍ですね。だからこそワトソンはホームズだと思い込んだのでしょう。芸が細かい。
一方ホームズは、ワトソンが相棒をしてくれないため、仮の相棒としてモリーをつけます。
そして行ったのは白骨化遺体が見つかった謎の現場。あの切り裂きジャックの遺体ではないかというのです。
ホームズは捜査をしながら「知ったかぶり」「かっこつけ」などワトソンが突っ込みそうなところを脳内セルフつっこみ。こちらも可愛いな。
死後6か月ほどなのにと不思議がる一行ですが、ホームズはすぐに仕組まれた現場だと気づきます。
あの「空の霊柩車」がホームズ復活のために用意した現場だったのです。
ホームズはアンダーソンに「警察の邪魔をした」「テロ調査中のホームズを邪魔をした」と注意。さすがにやりすぎよアンダーソン。
普段検視をしているモリーは流石で、ホームズが言う前に次々と分かる事実を述べる姿がかっこよかったですねー!
そんなモリ―は結婚するとのこと。「みんなが社会的病者とは限らない」とホームズは言っていましたが、「私のタイプなのかも」とモリ―はぼそり。
祝福に挨拶のキスを頬に送るホームズ。いやぁ、モリ―もホームズのことはふっきれたようで何より!
後の場面で婚約者とホームズらが対面しましたが、ホームズは何も言わなかったのできっとゲイや不倫などではないのでしょう。安心~!
しかし、何となくホームズに似ていて笑っちゃいました。きっとレストレードやワトソン、ホームズ自身も何か言いたげだったのでそう思っていたのでは。
モラン卿の爆破を阻止せよ
仕事が終わった後、ベーカー街へ行こうとしたワトソン。しかし、謎の男2人に拉致されてしまいます。
メアリーの元に送られてきたメールが暗号になっており、メアリーとホームズはすぐにワトソン救出へ向かいます。
この暗号、スキップ・コードと言って2単語分飛ばし読みすると意味のある文章になるものなのですが、原作「グロリア・スコット号」でも使われていましたね。
それにしても、簡単な暗号とはいえメアリー良く気づいたな?やはり侮れん。
ワトソンはガイ・フォークス・ナイトのイベントで燃やされる木などの山の中に閉じ込められており、火がつけられた直後に何とかホームズらが救出。
しかし、犯人の狙いは何だったのか?
ホームズを試すにしては暗号が簡単すぎるし、そもそも暗号メールをメアリーに送っている時点で無視される可能性もあったわけですし。
ホームズも分からないと言っていましたね。
ホームズに救出されたことをきっかけに、テロ組織の捜査にワトソンも協力することに。
帽子の忘れ主に帽子を届けに行くと、"ウェストミンター駅発の最終列車に乗った乗客が次の駅の到着時には消えている"という鉄オタからの相談でした。
その消えた人物がモラン卿という国会議員であること、5分の距離に10分かかっていることなどを疑問に思いつつ考えるホームズ。
またしてもワトソンの何気ない一言ではっと気づき、無意味な情報を掴んだ諜報員が死んだのではなく、本当に重要な情報であったことにたどり着きます。
つまり、地下テロ組織ではなく、"地下で"テロがあるということなのです。
列車から乗客が消えたのではなく、7両目が丸々消えたのです。
鉄オタの力を借りながら廃駅となっている場所を特定。
そしてガイ・フォークスが今日11月5日に火薬陰謀事件、つまり国会議事堂の地下に爆弾を仕掛けた事件にたどり着き、その今日がテロ法案の採決日であることからも、今日国会議事堂の地下(廃駅となった場所)に仕掛けられた爆弾が爆発する日であるとつきとめます。
いやぁやっぱりワトソンの何気ない一言がホームズを刺激するんだろうなぁ。
ということでその場所に急ぐ2人。ワトソンは警察に通報した方がいいと何度も言いますが、ホームズは不法侵入した方が早いと現場へ直行。
そこで消えた7両目そのものが爆弾となっているのを見つけます。
そして3分のタイマーが動き出してしまいますが、ワトソンはもちろんホームズも爆弾解体方法が分からないという始末。
ワトソンが「精神の宮殿を使え」と怒るも、出ないものは出ない。
しおらしく謝るホームズに対し、ワトソンは「演技はやめろ」と怒りつつも、最期だと悟り「君の墓の前で生きている奇跡を願った」「君は僕が知る中で最も賢くていい人だ」と思いの内を語るのです。
そんなワトソンの様子についに笑い出してしまうホームズ。やっぱりふざけていた😂
爆弾処理の方法は分からずとも、必ずスイッチがあることは知っていたので、そのスイッチを切っていたのです。本当にワトソンをからかうの好きなんだから😂
そのままホームズがしれっと呼んでいた警察が到着、ホテルにいたモラン卿も警察が逮捕し、無事に解決するのです。
犯人の名前がモランというのは、原作「空き家の冒険」でモリアーティの手下であるモラン大佐を捕まえたからでしょうね。
そして事件解決のため活躍したホームズを取材しようと詰め掛けるメディアの前に出る前に、生き延びた方法を聞くワトソン。しかし、ホームズははぐらかします。
そんなホームズに対し、「君はシャーロック・ホームズでいることが楽しいんだ」とワトソン。真理をついてるなぁ。
そして2人でメディアの前に出ていくのです。いやぁ、これがやっぱりいいね!!
けど、ワトソンが結婚しちゃうとベーカー街221Bは出ていっちゃうよね?寂しいなぁ。
ワトソンにははぐらかしていたホームズですが、アンダーソンへの説教では生き延びた方法を語っていたホームズ。
マイクロフトと組みモリアーティに自分が優勢だと思わせて手の内を明かさせ、屋上でのパターンを13に絞り込む。それぞれにコードネームを付けておき瞬時に対応できるようにした。
モリアーティは自殺願望があったので自殺することも想定済みだったので、コード「ラザロ」を始動。
救急車発着所が視界を遮る場所にワトソンを立ち止まらせ、飛び降りたホームズはエアマットの上に着地。ワトソンが発着所を通り過ぎる前にエアマットを回収しワトソンとは反対方向へ。モリアーティが子どもを誘拐した際、ホームズと似た男を実行犯に使っており、その男は消されていたはず、つまりホームズとそっくりの遺体があるため、モリ―がそれを入手し代わりに地面に転がす。ワトソンが自転車とぶつかり足止めされている間に転がされた遺体とホームズ本人が入れ替わり、血などの飾りつけ。そして脇にボールを挟んで圧迫することで一時的に脈を止め、ワトソンを迎えたのです。
これを聞いたアンダーソンは、「自分に真実を教えるはずがない」と言いつつも喜びます。相当自分を追いつめていたんだな...
エンディングでは、ホームズがワトソンを救出する場面を繰り返しモニターで見るメガネの謎の男が映されました。
この人物は今回の地下に爆弾をしかけた事件のヒントをホームズに与えていたことになるわけで、ホームズの技量を試したみたいな感じでしょうか。
次なる宿敵が現れるのか...?
最後に
いやぁ今回は事件そのものというよりはホームズとみんなの掛け合いを楽しむって感じで、もうニヤニヤしまくりでしたね~!
次回も楽しみです。
では、お読みくださりありがとうございました!