たーこいずの宝箱

たーこいずの宝箱

大好きなものへの愛を綴るブログ

海外ドラマ「SHERLOCK/シャーロック」3-3「最後の誓い」感想

海外ドラマ「SHERLOCK/シャーロック」シーズン3第3話「最後の誓い(The Last Vow)」の感想です。

 

早いものでシーズン3も最後のお話。ラストに相応しい衝撃の事実が発覚、そして強敵との対決でしたね~

 

では、以下ネタバレあり感想です。

 

意外な場所での再会

晴れて夫婦になり1か月。仲良く隣で寝るジョンとメアリーの元に、息子がドラックに手を出し帰ってこないと泣くご近所さんが訪ねてきます。

帰ってこない息子のアイザックは麻薬に取りつかれた人たちがたまり場にしている場所にいるだろうとのことで、メアリーが運転し、ジョンが突撃。

 

アイザックの居場所を聞くと、ナイフを突き出して妨害しようとしてきた男がいたため、軍医の経験があるジョンは難なく捻挫させ、アイザックは2階にいることを聞き出します。

この時のジョン、かっこよかったですね~!「弱いものとは戦い慣れてないんだ」、なんてカッコいいセリフなの。

 

そしてアイザックに声をかけ、連れて帰ろうとしたところ、ジョンに声をかけてくるもう1人の人物が。それはなんと、シャーロックだったのです。

いやもうあの時のジョンの驚きようといったら。笑

ワトソン夫婦のもとに近所の女性が助けを求めにきてジョンがアヘン窟へ探しに行き、そこで潜入中のシャーロックに出会うというのは、唇のねじれた男ですね。

原作ではすぐに捜査のためだと言うホームズの主張を信じるワトソンでしたが、ドラマでは何度シャーロックが訴えても信じてもらえないのが面白くて好きです。

尿検査までさせられて、モリ―に平手打ちを3回も受けるなんて、もう最高😂

そんなモリ―はもう離婚したとのこと。やはり変な相手だったのかな...切ない。

 

シャーロックの麻薬癖はニュースに。

ジョンがあらかじめ連絡したマイクロフトは、アンダーソンらシャーロックのファンクラブを使ってベーカー街221Bを家宅捜索。まさかまたアンダーソンに出会えるなんて嬉しい!あんなに嫌いだったけど、やっぱりいいキャラしてるから会えると嬉しい。

しかし、マイクロフトに対し「マグヌセンの調査だ」と伝えると顔色を変え、さっさとアンダーソンらを帰してしまいました。

 

マグヌセンとはやり手の新聞記者で、あらゆる人物の弱みを握っては脅すという"恐喝のナポレオン"。モリアーティが犯罪界のナポレオンなら、マグヌセンは恐喝のナポレオンということですかね。

シャーロックいわく、「彼ほど嫌味を感じさせる奴はいない」のだとか。

しかし、マイクロフトはマグヌセンを支配下に置いており、マグヌセンと敵対するということは、マイクロフトと敵対することを意味するというのです。

このマグヌセンは『犯人は2人』に出てくるチャールズ・オーガスタス・ミルヴァ―トンのオマージュでしょう。原作でも、「恐喝の王者」と言ったり、「これまで僕の相手にしなきゃならなかった殺人者は50人にも及ぶが、その中の最悪の奴でさえ、ミルヴァ―トンほどの嫌悪は感じさせなかった」と言ったりしています。

 

シャーロックはマグヌセンの捜査にジョンを勧誘していると言いつつシャワー室へと入っていきますが、入れ替わりのように寝室から出てきたのはなんとジャニーン。

ジャニーンとシャーロックが付き合っているというのです。

あのシャーロックが誰かと付き合っているという事実を受け入れられないジョンは、マグヌセンの説明を受け、みんなの弱みを集めている図書館、アップルドアへ行くことが必要だとと言われているにもかかわらず、ずっとジャニーンの話をします。おもろい。

 

その後、マグヌセンと会う約束を取り付けたシャーロックですが、マグヌセンのオフィスで会う予定だったのに、突然ベイカー街221Bに来訪されてしまいます。

そこでは暖炉に放尿されたりと下劣に扱われ、さっさと帰られてしまったシャーロックですが、マグヌセンが依頼主が取り返そうとしている手紙を持ってきていたという事実に喜びます。交渉する気があるということだ、とルンルンです。

イカー街221B1にマグヌセンが手紙を持ってきていたというのは、『犯人は2人』とは正反対でそれもまた面白いですね。

 

マグヌセンを脅す人物の正体

マグヌセンのオフィスに忍び込むため、ジョンと2人でやって来たシャーロック。

一般用のカードキーを盗んでおいたシャーロックは、普通にこのカードキーでマグヌセン専用のカードキーでなければ入れないようなところに入ろうとすれば警備員にすぐ捕まってしまうが、携帯と一緒にしばらく置いておくことで磁気不良を起こせば、警備員はやってこず、人間がカメラで本人確認をすると言います。

そしてそのとおりに磁器不良で確認させますが、なんと確認するのはジャニーン。ジャニーンはマグヌセンの秘書だったのです。

 

いくらシャーロックでも中に入れることはできない、と言うジャニーンに対し、結婚指輪をモニター越しに見せ、「こんなところで言わせないでくれ」と訴え、中に入れてもらうことができたシャーロック。

なんと、マグヌセンのオフィスに侵入するためだけにジャニーンと交際し、プロポーズまでしかけたのです。

『犯人は2人』でもミルヴァ―トンの情報を得るため女中と婚約していますので、このオマージュだと思いますが、改めて非情な男だよシャーロック・ホームズは。笑

 

しかし、中に入るとジャニーンは誰かに気絶させられており、後頭部から血を流していました。

誰かがマグヌセンを狙っていると気づいたシャーロックはジャニーンの手当をジョンに任せ、マグヌセンの元へ急ぎます。

部屋に残された香りは"月の光"という香水で、これを使っているのはジョンの妻メアリーと依頼人

すぐに依頼人だと思ったシャーロックは、銃で今まさにマグヌセンを脅す犯人に向かって声を掛けますが、振り返ったのは何とメアリーだったのです。

 

メアリーが撃つわけがないと思うシャーロックに対し、メアリーは躊躇なくシャーロックの胸に向かって発砲。

撃たれた瞬間、シャーロックはどうやって生き延びるかの脳内会議を始めます。

モリーやアンダーソンからヒントをもらい、発砲された場合の死因は出血多量であり、止血するには倒れる方向が重要で、倒れる方向を決めるためには体内に弾が残っているか否かを見極める必要があることにたどり着くシャーロック。

銃の種類から判断しようとするシャーロックですが、脳内のマイクロフトに馬鹿にされてしまいます。部屋の内装を思い出し、背面は鏡なのに割れた音がしていなかったのだから、弾は貫通していないことを突き止めます。

そして背後にそのまま倒れ、重力により弾を動かし、止血することに成功。

 

しかし、ショック症状を起こしてしまいます。ショック症状も死因のひとつであるため、それを克服するしかありません。

すると監獄に閉じ込められたモリアーティが脳内に登場し、「死を恐れる必要はない」、「死は最高さ、誰にも邪魔されない」など死に誘われます。

しかし、「彼を見捨てるんだね、あの妻じゃかわいそうだ」というモリアーティの言葉に覚醒し、回復したシャーロック。

 

モリーらのアドバイスによって生きる術を探すのも面白いですし、まさかのモリアーティ登場に興奮してしまいました。

しかも、生を諦めない理由がジョンを放っておけないからというのがもう何ともたまらない。最高です。そうだよね、このまま死んで怪しげな妻と一緒に何も知らないジョンを残しておけないよね。

 

そして依頼人

入院するシャーロックをお見舞いに来たジャニーン。

なんと、ジャニーンもまたシャーロックを利用し、シャーロックの性生活などの暴露話をマグヌセンのライバル誌に売り飛ばしてお金を稼いでいたのです。

ある意味お似合いだ...

去り際、ジョンとメアリーはあげると言っていたのがなんとも切なかったですね。

 

そのお金でサセックスに別荘を買ったというジャニーン。ハチの巣は排除しなきゃ、とわざわざ言及していることから、『最後の挨拶』でホームズは引退してサウス・ダウンの小さな農園で養蜂と読書に隠居生活を送っている、『第二の汚点』でホームズはロンドンを引き払い、サセックス州の高原に定住して研究と養蜂に打ち込むようになった、という原作の描写を意識してのことでしょう。逆に言えば、ドラマ版のシャーロックは引退しないということかも?

 

その後病室から逃亡したシャーロック。

シャーロックは正面から撃たれているので犯人の顔を見ているはずだが、誰かを言わないということは、誰かを守るために言わないのだと推測するジョン。

そして、ジョンがベイカー街221Bを出て行ってからシャーロックが片づけてしまっていたジョンの定位置ともいえるソファが戻してあったため、そこに座って思案します。

すると、座ると自然に目に入って来たのは、サイドテーブルに置いてあった"月の光"。椅子を戻したのはシャーロックなので、これはシャーロックのジョンに向けたメッセージ...?ここでちゃんと察するジョンも、やはり鋭いですよね。

 

シャーロックが残した手掛かりにより誘導されてやって来たメアリーは、廊下の奥に座っていると思われるシャーロックの影に向かって銃を構えつつ、シャーロックに話しかけます。

シャーロックはメアリーというのは死産の女であり、5年前に彼女の経歴を奪ったことを言い当てられるメアリー。

シャーロックから銃の腕前を見せてほしいと言われ、自らコイントスしたコインに空中で見事命中させます。

すると、メアリーの背後からシャーロック本人が現れるのです。つまり。廊下の奥に見えた人影は人形だったということ。このように、人形を使ってシャーロック本人と思わせるという手法は『空家の冒険』『マザリンの宝石』でベイカー街を訪ねてくる敵を欺いたように、ホームズの得意技ですね。

 

現れたシャーロックに対し、「ジョンに知られないためならなんだってする」と言うメアリー。

しかし、シャーロックと向かい合うメアリーの背後から現れたのは当の本人であるジョン。なんと、人形だと思わせたのが、実はジョンだったのです。なんていう二重仕掛け!いやぁ面白いですね。

 

シャーロックは激怒しているジョンとメアリーを連れてベイカー街221Bに戻り、話し合いを勧めます。シャーロックにそんな甲斐性があったなんて...人は成長するのね。

「質問がある、僕が出会う人間は全員社会病質者なのか?」というジョンの発言に、ジョンは怒っているとはわかりつつ吹き出してしまいました。

それに対しシャーロックは「イエス「君はある種の生き方を渇望している。異常に惹かれている。危険な状況や人々にね。だから愛した女性が危険人物なのも驚きではない」と大真面目に言い、このような状況になったのはジョンのせいだと言うのです。

 

そして、「ジョン、落ち着いて答えろ、彼女は何だ」「この部屋での彼女は何だ」と諭し、ジョンはふてくされつつも自分の定位置に座り、「わかったよいつも君が決めるんだ」と言い、メアリーに依頼人がいつも座る椅子に座るよう指示します。

そしてシャーロックも定位置に座り最後にメアリーが座るのです。

いやぁ、この流れがもう完璧でしたね。ベイカー街221Bにいる人は、そしてシャーロックがこれだと決めたものについては、依頼人になり捜査対象になるのです。あくまでジョンはシャーロックのお手伝いであり、シャーロックが依頼を受けるか決める。相手が誰であっても、それがシャーロックの興味を引く謎なのであれば依頼人になりうるのです。

 

座ったメアリーはAGRAと記載されたUSBを取り出します。

このUSBにはメアリーの過去が載っており、それを見ればメアリーへの愛は消えるので私の前で見ないで、と言ってジョンに渡すのです。本名のイニシャルなのか?

そして、シャーロックはメアリーの知能からして諜報員の現役か経験者で、マグヌセンに秘密を握られて殺そうとし、近づくためジャニーンと仲良くなったと言い当てます。

これを聞いたジョンの「君らが結婚すべきだ」には皮肉が効きすぎていて吹き出しちゃいました。

メアリーは「私を終身刑にできるネタが奴の手に」「ああいう奴を殺すのが私の仕事」と言い、暗に殺し屋だということを認めます。

 

なぜ私を助けるのかと問うメアリーに対するシャーロックの答えは「命の恩人だからね」。

2人とも殺す方法もあったのに、感情が勝りシャーロックを動けなくする一発を放ち、マグヌセンは彼の手法からして警察には言わないだろうし、殺してしまうと一緒に来ていたジョンに容疑がかけられてしまうため気絶せずにとどめた。

そして何よりも、ジョンが呼ぶ前にメアリーが救急車を呼んでいたのです。

シャーロックは体調を崩し救急に運ばれていきますが、去り際に残した言葉は「ジョン、メアリーを信じろ」。

どこまでもジョンの心配をするシャーロック、ジョンのこと好きすぎるだろ...あんなに他人に(人間的に)興味のないシャーロックがここまで人のことを思うなんて...愛...

 

強敵との直接対決

1か月ほどの月日が流れ、時はクリスマス。

ホームズ家のホームパーティにお呼ばれしたジョンとメアリーは1か月ぶりに会話を交わします。

ジョンは例のUSBを手に取り、

何を言おうか考え抜いた。今から準備した言葉を言う。君の過去は君だけの問題だ。君の未来は僕の宝だ。重要なのはそれだけだ。

と言い、USBの中身を見ることなくを暖炉に投げ入れるのです。

なんていいやつなんだジョン!!!メアリーが嬉しそうなのが、本当によかったなぁと。過去は本当に諜報員でいろんなたくさんの人たちを殺してきたのかもしれないけど、ジョンに出会ってメアリーも変わったんだろうなぁ。

 

一方マイクロフトとシャーロックは、家の外でタバコを吸いながら会話。

マイクロフトは、東欧への潜入捜査のオファーがあるが断って欲しいとシャーロックに伝えます。

なぜ断って欲しいのかと聞くシャーロックに対し、6か月で死ぬようなところであり、死んでほしくないと本音をポロリ。

らしくない発言に思わずむせるシャーロックと、パンチで酔ったと言い訳するマイクロフト。いや本当に素直になれない子どもみたいな兄弟だな。笑

 

あの後ハグして仲直りしたジョンとメアリー。

シャーロックは夫婦像を自分たちに学ばせるために招待したんだと思う、とジョンはメアリーに言いますが、いやいやそんなわけないだろと私が突っ込んでおりましたら。

直後に紅茶を飲んだマイクロフト、メアリー、シャーロックの両親が眠っているではありませんか😂やっぱりシャーロックは何かを企んでいて利用しただけでした😂

 

アップルドアをマグヌセンに見せてもらうため、交換条件としてマイクロフトの持つ国家機密をあげるというなかなか危険な行動に出ていたのです。

もちろんジョンはシャーロックに同行。銃は持っているか、と尋ねるシャーロックに対し、「ご両親の家に行くのに?」と持っているわけない、と答えるジョン。

すると、ジョンのコートを投げ渡し、「ポケットには?」と聞くと、「ある」と答えるジョン。いやあるんかーい。やっぱりジョンも流石シャーロックと仲いいだけあるわ。

 

迎えに来たヘリに乗り、マグヌセンの自宅へと乗り込むシャーロックとジョン。

2人に対し、メアリーを脅した種明かしをするマグヌセン。

国家機密を得たい。そのためにはそれを握るマイクロフトを脅す必要があり、マイクロフトの弱みは麻薬癖の弟シャーロック。シャーロックの弱みを握ることは難しく、麻薬癖は嘘だろうし暴露されても痛くないことは分かっていた。けれどジョンの危機には必死であることを放火事件で掴めたため、シャーロックの弱みはジョンであることが判明。そのジョンの圧力点は妻であるメアリーなので、今回メアリーを所有しようとしたということだったのです。

 

そう語るマグヌセンに対し、メアリーのすべての情報と引き換えだとマイクロフトのパソコンを渡すシャーロック。パスワードも教えると言うシャーロックに対し、余裕綽綽なマグヌセン。

マイクロフトは盗難に気づいており、頃合いを見計らってパソコンについたGPSを辿ってここへやって来る。そこで当局が見るのは国家機密を手にしたマグヌセンであり、家宅捜索の口実が出来て更なる機密の所有が発覚し、マグヌセンを逮捕することができる。よって国家機密を持ち出したシャーロックは罪を免れる。という筋書きをマグヌセンはずばり言い当てるのです。

 

なぜ気づいていたのに阻止しなかったのかと尋ねるシャーロックに対し、

名探偵は大きなミスを一つ犯した。そのせいで大切な人や物を失うことになる。アップルドアの保管庫を見せよう

と部屋へ2人を案内するマグヌセン。

その部屋には椅子が一つしかなく、そこへ座って目を閉じるマグヌセン。

ぽかんとするジョンに対し、シャーロックは驚きとある種の尊敬の顔。そう、シャーロックなら理解できる、"精神の宮殿"のです。

つまり、マグヌセンの言うアップルドアとは精神の宮殿であり、この椅子に座って目を閉じ、イメージ化によって記憶の中を保管庫とし、そこへ自由自在に降りていくのです。

そして目の前で実践し、メアリーはCIAで暗殺の仕事を担った後、フリーランスとなった酷い女だから、ジョンが愛するのも当然だと言います。

 

「理解できない」と言うジョンに対し、「それは君の決め台詞か」と痛快な言葉。

「知識が全てなのだ。知ることは所有すること。なぜ証拠がいる?私は新聞業界にいある。証明せず印刷するだけ。君たちは明日の紙面のスターだな。私に国家機密を売ろうとした」と余裕の笑みで勝ち誇ります。

そこへヘリでやって来たマグヌセン。アップルドアが実在しなかった以上、残る状況証拠はシャーロックが持ち出した国家機密のみ。つまり、シャーロックとジョンが逮捕され、かつマグヌセンは何の痛みも得ないのです。

そのことを受け止めたシャーロックは、持っていた銃でマグヌセンを射殺。

逮捕される間際に、「メアリーに伝えてくれ、もう安心だと」とジョンに言い残すシャーロック。マジでジョンのこと大好きじゃん...結婚式回でもそうでしたけど、シャーロックはジョンを、身近な人たちを守る覚悟を決めたんだなぁ。

 

この、悪人を葬り去ることができるならば殺しだって、自分の立場だって厭わない佇まいがまさにシャーロック・ホームズだなと。

相手はモリアーティ教授ですが、『最後の事件』でホームズは、「僕は今、彼の害毒から社会を解放し得るのだと思うと、その代償として友人諸君、ことに君には大きな苦痛をあたえねばなるまいけれど、それでも大きな喜びを感じるものだ。」「僕の経歴はこんどで最高点に達したのだから、僕としてはここでそれに終りをつげさせるくらい嬉しいことはないのだ」とワトソンに手紙を書き残し、モリアーティと死を覚悟して、罠とわかりつつ対峙したのですから。

 

シャーロックのその後

ご存じのとおり我が国は鈍器を必要とする一方、時には短剣が必要です。あるいは躊躇なく振るわれるメスが。シャーロック・ホームズは国の将来に必要です。

と議員らを説得するマイクロフト。

兄弟だから甘いのかと指摘されるも、「私は兄弟愛を示すタイプではない。3人目の兄の例でわかる」と反論。あれ、原作では確かマイクロフトのみの言及でしたよね?もしかしてドラマオリジナルで今後出来の悪い弟が出てくるのかしら...?ん、だとしたらなぜクリスマスのホームパーティにお呼ばれしていなかったのだ...?

 

逮捕されない代わりに、マイクロフトの提案により、非情な案、つまり東欧への潜入任務をシャーロックに命じるのです。マイクロフトの読みは外れないので、きっと6か月後には死ぬだろうに...

見送りにはジョンとメアリーが来て、メアリーにはこっそり「ジョンを頼む」と言うシャーロック。「大丈夫、彼を困らせておくわ」と言うメアリーは、やっぱりジョンとシャーロックの扱いを上手くわかっているよなぁ。メアリーが一緒なら、きっとシャーロックも安心でしょう。だからこそシャーロックは無茶しちゃいそうで怖い。

 

そしてジョンと最後の会話。

自分の名前を子どもに付けたら、と提案するシャーロックに対し、ジョンは娘だから付けないと断ります。

でもシャーロックは女の名前だと言って譲らないシャーロックに爆笑するジョン。そうだよね、出会ったとき、シャーロックは性別を間違えていたもんね。これを伏線回収的に持ち出すのはずるい。泣いてしまうではないか。

 

「ゲームは終わった」と言うジョンに対し、「ゲームは決して終わらない。プレイヤーが変わるだけ。結局最後は東風が一掃する」「強大な東風が通り道すべてを破壊する。卑小な者は地上から吹き飛ばされる。僕のことだ」とシャーロック。

この東風というのは、何か今後も伏線めいた感じがしますね。原作だとドイツとの第一次世界大戦の話題も少し出ていたので、そのような感じでしょうか?

 

と私は思っていたのですが、シャーロックが飛行機に乗り出発した直後、あらゆるテレビや広告などの画面をジャックし、「会いたかった?」とだけ繰り返し、満面を笑みを浮かべるモリアーティの映像が流れます。

まって、生きていたの!?!?

まさか原作とは異なりモリアーティも生きていましたなんて、予想外過ぎて興奮しちゃいます。思っていたよりも早めの退場なんだなぁと思っていましたが、まさかこういうことだったとは。

 

まさかの事態に、マイクロフトは「亡命生活はどうだ?」とシャーロックに電話。「まだ4分だ」と当たり前のことを言うシャーロックに、「お前が必要になった」とマイクロフト。「どっちかはっきりしろ」。これまたそのとおり。

「誰が必要としている?」と言うシャーロックの質問に対する答えが「イギリスだ」なのがくそかっこよかったですね。そうなのよ、英国がシャーロック・ホームズを必要として離さないのよ!

 

ジョンは「生き返ったなら奴には厚着を勧めるね。東風がやってくる」と言ってドラマは終わるのですが、もうこのセリフの痺れ具合ったらありゃしない。東風に吹き飛ばされたシャーロックから、今度はモリアーティを吹き飛ばす東風になってシャーロックがやってくるなんて、もうかっこよすぎるでしょ。そして伏線でもなんでもありませんでした。笑

 

最後に

『犯人は2人』でなかなか手紙を返してくれないミルヴァートンに対し、盗んででも取り返そうとしたホームズからも、必要と認めれば犯罪にも手を染めること、かつてのミルヴァートンの被害者がミルヴァートンを射殺したこと、それをホームズは止めず、かつ捜査にも協力しなかったことを踏まえても、今回のドラマはとてもいいストーリーだったなぁと思います。

原作をリスペクトし、そのエッセンスを残しつつ上手く新しいストーリーにしていてとても面白かったです。

 

モリアーティの生還というまさかの展開。弟子や崇拝者が生きていて、奴らが仕組んだという可能性もまだまだあるので過度な期待はしないでおこうと思いますけど、でも今後が楽しみです!

 

では、お読みくださりありがとうござました。