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海外ドラマ「SHERLOCK/シャーロック」3-2「三の兆候」感想

海外ドラマ「SHERLOCK/シャーロック」シーズン3第2話「三の兆候(The Sign of Three)」の感想です。

 

シャーロックが無事戻ってきて、いよいよジョンが結婚!

前回のお話に引き続き、原作の要素盛りだくさんというよりはお祭りみたいなエピソードでしたね。終始笑ってました。と思ったら最後は泣きそうになってしまった...

 

では、以下ネタバレあり感想です。

 

シャーロックの一大事

強盗犯ウォーターズ一味を追うレストレード。

1年半前、1年前、半年前、3か月前と強盗を繰り返していますが、警察は無罪放免にしかできず、現行犯逮捕するしか方法はないと悔しがります。

 

そしていよいよ昨日、強盗を行う現場に事前に張り込み、今まさに中へ入って現行犯逮捕しようとするその時、レストレードの携帯には、シャーロックから「ベイカー街 助けて」との連絡が入ります。

事態を重く見たレストレードは、ずっと追ってきたウォーターズ一味を捕まえられる絶好の機会という天秤にかけた結果、ホームズの元へ向かうことに決め、現場を部下に預けてベーカー街へ急行。

この時、「ジョーンズに手柄を取られる」という発言があったのは、今回のエピソードの元となっていると思われる「四つの署名」で出てきて、ホームズの活躍により名声をあげたジョーンズから来ているのでしょう。

 

向かいながら応援をベーカー街へ呼び寄せ、息からがらホームズの元へと向かうと、そので待っていたのは椅子に座りながら悩むシャーロック。

なんと、ジョンの結婚式のエピソードが思いつかないという悩みのために呼びつけただけだったのです。

それを知った時のレストレードのあの表情...安堵と呆れと怒りでぐっちゃぐちゃなのが出ていましたねぇ。

きっとシャーロックが姿を消して死を偽装していたからこそ、心配しちゃったんだろうな。もうレストレードに同情します。笑

 

そんなホームズは結婚式の参列者でメアリーの元カレにあらかじめ接触し、メアリーにSNS投稿を監視していることなどと突き止めます。

そのうえで会うのは年に3回、公の場でジョンが同席していること、ただの友人になれ、個人情報は把握しているから監視しているぞ、と脅すのです。

いやシャーロック優秀すぎやしないか!?この事実をメアリーやジョンに伝えるわけではなく、こっそりと本人に釘をさすなんて、なんだか普段のシャーロックぽくないんですよ。これって、本当に心からジョンとメアリーの幸せを願っているということですよね?これはすごいことだ...

 

一方シャーロックっぽい描写もきっちりありまして、指輪を運ぶ役の少年アーチーの機嫌をとるため、ねだられたら目の中にウジ虫が湧いている写真を見せたり、式でいい子にしていたら首切り死体の写真をあげると約束していたり。なんだか安心しました(?)

 

シャーロックのスピーチ①僕は君を祝えない

そして当日、付添人シャーロックのスピーチが行われることに。

シャーロックのスピーチの中で過去エピソードを明かすという手法は見ていて面白かったですね。

 

シャーロックが付添人に選ばれた時の話がもう笑ってしまいました。

まずそもそも、煙草を吸わないようにするための暇つぶしで目の玉をバーナーで焦がすというカオスな状況が流石はホームズ。

訪ねてきたジョンに対し、「飲む?」とたった今目の玉を落としてしまったカップをかかげるのも異常なのよ。

 

そして、付添人になってほしいと言うジョンに対し、ベストマン=最良の人と勘違いしたシャーロックは、社会福祉施設を救った首絞め強盗犯の名前を挙げます。このセンスよ。

付添人のことだ、とジョンが説明すると、レストレードら別の人を提案するシャーロック。しかし、ジョンは「結婚式は人生で1番重要だ。その場には僕が一番大切な2人が欠かせない。メアリーと君だ」と言うのです。

なんて素敵なセリフ!!!こっちが胸を撃たれたよ。

 

衝撃を受けたシャーロックはしばし無言で固まります。スピーチいわく、心の中で感動に近い感情を覚えていたらしいけど。笑

驚きを隠せないシャーロックは、「つまり僕は君のベストフレンド?」と言いつつ目の玉入りの紅茶を飲んでしまいます。

ここでジョンが味を尋ねるのがまたね😂「意外といける」らしいですよ...

 

そしてスピーチに戻り、「僕は君を祝えない」と言うのです。

「愛情のような感情は僕が重んじる冷静な理性に反する」、「僕が思うに結婚とは偽りと見せかけに満ちたものだ」と結婚自体を否定。

このあたりは、「四つの署名」での「だが僕はおめでとうとは言わないよ」「恋愛とは感情的なものだ。すべて感情的なものは、何にもまして僕の尊重する冷静な知性と相いれない」というセリフから来ているのでしょう。

 

そして、「私が彼を助手にしたのは気まぐれからではなく彼の美点ゆえ」、「僕の知能の鋭さが有名になったのは彼とのコントラストのおかげ。花嫁が冴えない付添人を選ぶのと同じだ」とジョンを下げます。笑

このあたりは「白面の兵士」での「私が今日まで多くのつまらない事件にこの古い友人であり伝記作者でもある男と行動をともにしてきたのは、感傷や気まぐれからではない」、「さきのことは何一つわからないような男こそは、じつに理想的な協力者というべきである」というホームズの言葉からでしょう。そもそもこの「白面の兵士」は自分で書いてみろとワトソンから反撃を受けたホームズが事件のことを語るというものになっている時点で、心からワトソンのことをそう評価してるんだろうなぁ。面白すぎる。

 

しかし、「ともかく僕が言いたいことは、僕はこの世で一番不愉快で不作法な男だ」「出会ったら不幸と言うしかない」、「この役目は意外でした。僕が誰かの親友になるとは」と自分を下げ、「しかもその誰かは、勇気と温情と知恵を持つ男で、知り合えた僕は幸福でした」、「ジョン、僕はバカげた男だ、救いは君の温かい友情だけ」とジョンを褒めます。

そして「今日君の両隣には君が愛する女性と君が救った男がいる。世界で一番君を愛する2人だ」「メアリーと僕は誓うよ、ずっと君と共にある。生涯をかけて」と感動すべき言葉を伝えるのです。もう私は笑ったり泣きそうになったり感情が忙しかったです。

まさか、シャーロックの口からこんなに素直な気持ちが聞けるなんて...

 

シャーロックのスピーチ②ジョンの面白い話

そして、ジョンの面白い話としてブログに載っているユニークな事件の話をいくつか紹介。

そのうちのマッチ箱の中が発光というのは、「ソア橋」の冒頭でちらっと触れられる事件のことですかね。

 

そして、「血まみれの衛兵」の話を詳しく紹介。

そもそもこの事件を捜査することになったのは、ジョンが結婚することに不安がっていることに気づいたメアリーが、行動で安心させて、とジョンに捜査へ行くよう促したから。ジョンは「結婚の準備に嫌気がさしたから、僕のために調査を」とシャーロックに依頼を選ばせます。一方シャーロックは、買い物をしてくると言って出かけようとするジョンに口裏をあわせつる、出かけ際メアリーに「彼に息抜きさせて来る」と耳打ち。

メアリーは2人それぞれに向かってグーサインを送るのです。

いやもうメアリーが神!2人のことをよく分かってる。扱いがうますぎる。メアリーはジョンにとって最良の伴侶であるうえ、シャーロックにとっても最高の友人になることが確信できますね。メアリーだからこそシャーロックも認めているんだと思います。

 

今回の依頼は宮殿近衛兵をするベインブリッジからのストーカーに関するもの。

毎日写真を撮られているということで、シャーロックは忍び込んで捜査を開始、ジョンは身分を明かして正当にベインブリッジから話を聞こうとします。

しかし、その最中、勤務を終えてシャワーをしていたベインブリッジが、シャワー室で血だらけで発見されたのです。

内側から鍵のかかっている密室で、凶器はなく、勤務終了後すぐに刺された。不可解な点ばかり。

必至の訴えで検視を許してもらえたジョンはまだベインブリッジが息をしていることに気づき、必死で救助。いやぁやはりジョンはかっこいいなぁ。

しかし、こちらは未解決のまま捜査を終えてしまいました。

 

そして別のエピソード、「カゲロウ男」

独身男子会をほろ酔いで終了させるため、モリーに計算を手伝ってもらいながら計画を立てたシャーロック。もうこの時点でシャーロックが愛おしい。

メスシリンダーにビールを注がせ、飲酒の時間とトイレの時間を測って体内のアルコール量を計算して管理。

したにもかかわらず、出かけてから2時間でべろんんべろんになり、ベイカー街の階段で寝ころびながら会話にならない会話をする始末。

 

その後部屋で泥酔状態で「Who Am I」ゲームをしているところに、死んでいるはずの男とデートしたという女性が捜査の依頼に現れるのです。

ここで断ればいいのに、半分寝ている状態で依頼を聞き、そして現場にまで調査へ行ってしまいます。案の定まともな捜査はできず、しまいにはシャーロックがカーペットに嘔吐してしまい、警察を呼ばれることに。

翌朝、レストレードが拘束を解除してくれましたが、「一晩飲み明かせない軟弱者め」ととどめの一言。2人とも慣れてないのがまるわかりで、もう可愛いなぁ。

 

その後チャットで亡霊とデートしたという女性とやりとりを続け、共通項を探るシャーロックですが、結婚式の今日までその犯人を見つけることはできませんでした。

しかし、今スピーチをしているその時、依頼人がジョンのミドルネームを知っていたこと、結婚することを知っていたことを思い出し、犯人は結婚式で殺人を犯そうと計画していたのだとひらめくのです。

 

カゲロウ男の正体

脳内のマイクロフトからやいやい言われ、それがヒントにもなるわけですが、「違うあんたじゃない君だ、ジョン、君が僕を正しい方向に導く」と言って脳内マイクロフトを追い出し、結婚式でしか殺せない相手、つまり社交嫌いで自宅の警備が厳しい人物、ジョンの元上司であるショルトーが狙われていることに気づきます。

ショルトーは英雄と言われていますが、一方で新人らを率いていた際、みんなを死なせてしまい自分だけ生き残ったことで、ものすごい脅迫を受けていたのです。

 

カゲロウはショルトーに関わりある女性(ナース、警備など)に亡霊としてデートしショルトーの情報を仕入れ、結婚式での殺人を計画。

その予行練習として衛兵を殺したのです。

 

そのことに気づいたシャーロックはレストレードにメールで指示し、会場を封鎖させるとともに、ショルトーにその事実を伝えて身を守るように指示。

しかし、ショルトーは「死ぬ覚悟はできている」と殺されることを受け入れようとし、ホテルの部屋にこもって出ようとしません。

近衛兵を殺した手口を解明すれば出ようと言うショルトーですが、解き明かせなかったと諦めているシャーロック。しかし、メアリーの言葉、そしてジョンの「君は謎解きが好きなんじゃない、劇的な状況が好きなんだ。ゲームは始まったさぁ解け」という言葉に推理を巡らせ、ベルト越しに刺されていたことを突き止めます。

ベルトが傷を圧迫しているため、ベルトを外さない限り死なないので、アリバイも余裕で作れるとのこと。

そして「今日はジョンの晴れ舞台だ。台無しにはしない」というシャーロックの説得によりショルトーはドアを開け、ジョンに助けを求めるのです。

 

その後、臨時フォトグラファーを犯人として逮捕。

写真には写らず、誰も顔を見ないからというわりと予想どおりな展開でした。

しかしながら、そことそこがつながるのか!という面白さがありましたね。あとシャーロックの名台詞もこれでもかと飛び出しました。今回のエピソードはシャーロックの素直な気持ちがこれでもかと出されていて、もうお気に入りエピソード確定です。

 

3つの兆候

シャーロックが事前に作曲していた「メアリーとジョンのためのワルツ」をシャーロックがバイオリンで演奏し、2人がダンス。

その後のスピーチで「メアリー、ジョン、例えどんなことが起ころうともこれから僕は常に君たちのそばにいると誓う。君たち3人の」と人生で最初で最後の誓いを宣言。

3人と言ったのは、①食欲増加、②味覚の変化、③調子が悪いとイラついていた、という3つの兆候から、メアリーが妊娠しているから。

それを聞いてジョンは、医者の自分が気づいていないのにと悔しがります。可愛い。

焦る2人に対「焦る必要はない。君らはいい両親になる。実習済みだ。僕という赤ん坊から本物へ移行だ」と言うのです。もう、シャーロック急にいい男になるやん...

 

そして、何を話しているのか怪しまれるからダンスを、ということになるのですが、「シャーロックは?」と言うメアリーに対し、「3人では踊れない」とジョンが言い、シャーロックはその場を離れてしまいます。

ちょっといい感じにも思えたメアリーの付添人は他の男性とダンス、モリーも恋人とダンスをしていることを確認し、シャーロックは会場を1人出るのです。

 

もう、このシーンで泣いてしまいそうになりました。

散々マイクロフトから「深入りするな」と言われていたシャーロックは、ジョンとメアリーを守ることに決めつつ、でも自分が深入りすることで危険な目に遭わせないようにと距離をとるのではないかと心配になってしまいました。

しかも、原作ではいつの間にかワトソンは妻と死別しているので、余計に不安になってしまいます。

シャーロックはきっとジョンや周りの人々の「普通の幸せ」には入り込めない、深入りできないのだからとその場を離れていったと思うのです。

そんな決断をしてしまったことも悲しいし、その決断故にメアリーになにか起きてしまうんではないかと思うと、もう苦しい。シャーロックが孤独や責任感、後悔を感じずにいられますように。

 

最後に

前回、モニター越しにジョンを救出するシャーロックとメアリーを観察していた何者かの描写がありましたが、あれってもしかして、シャーロックではなくメアリーを観察していたのだとしたらどうしよう...暗号をメアリーに送ったのも、標的がメアリーだったからだとしたら...?

前回、今回のエピソードが幸せすぎて、ここから辛い展開になっていくのではとなんだか不安になってしまいました。

みんながバカな会話してるところが見たいよ...

 

では、お読みくださりありがとうござました!