たーこいずの宝箱

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海外ドラマ「SHERLOCK/シャーロック」4-2「臥せる探偵」感想

海外ドラマ「SERLOCK/シャーロック」シーズン4第2話「臥せる探偵(The Lying Detective)」感想です。

 

衝撃の結末を迎えた前話。関係性の悪化したシャーロックとジョンはどうやって元通りになるのか?

ジョンは、シャーロックは立ち直ることができるのか?

 

では、以下ネタバレあり感想です。

 

連続殺人鬼の娘からの依頼

実業家、慈善家のカルヴァ―トン・スミス

定例会議では娘や警察、放送局の重鎮などが出席する中で、TD12という数分の記憶力を無効化する薬を点滴させ、そこで秘密を暴露していました。

その場でスミスが明かした事実は、「誰かを殺す必要がある」という衝撃の言葉。

 

その3年前のスミスのワンワード=1語で人生が変わってしまったスミスの娘・フェイスは、麻薬漬けで変人を極めたシャーロックの元へ相談へ。

シャーロックは集中力がなく意味不明な言葉を並べたり、ふらふらと歩き回ったりしつつも"一種の反射"により推理する頭の回転は持ち合わせたままであり、フェイスが鞄に銃を隠し持っていること、雨の中コートなしで来たこと、タクシーを待たせていないこと、自傷の傷跡が左手首にあることから、シャーロックが依頼を断れば自殺するつもりだったことを推理し、依頼を受けることに決めるのです。

 

ただし、自殺を止めるために依頼を受けたのではなく、シャーロックは人名は一語ではないはずなのに、一語が人生を変えたという矛盾に面白みを感じたから。

ナポレオンなどの例外を除けば、普通人の名前は2語以上。一語で殺す対象を表す言葉、anyone=誰でもという事実にシャーロックは気づいてしまいます。つまりスミスは連続殺人犯ということ。

 

この、依頼人のフェイスと外を歩きながら推理をしていくのが面白かったですね~意味不明な言葉を発しつつも、的確に推理をしていくところが流石シャーロック。頭に身体がついていかないというのが面白い。

しかも、適当にふらついているのかと思えば、ヘリでシャーロックの行動を見張っているマイクロフトにむけて「失せろ」というメッセージを軌跡で描いていたというオチつき。1週間引きこもりなシャーロックを案じてヘリで監視するマイクロフトもなかなかの変人ですけどね。この兄にして弟ありって感じよ。

 

ついにイカれたシャーロック

その3週間後。

セラピーに通うジョンのもとへ、真っ赤で爆速な粗っぽい車が1台、ヘリや警察を引き連れて現れます。

シャーロックが連絡したいのであれば、大っぴらにやる男だとセラピストに話していたばかりでしたし、ヘリを引き連れていたので、まさかシャーロック??と思いきや...

なんと、運転していたのはハドソン夫人だったのです。

 

シャーロックは麻薬の取りすぎでついにおかしくなり、部屋中のスミスの切り抜き写真を貼っては銃をそこら中に発砲しまくり、奇声を発するという周囲の命も危険な状況に。スミスは連続殺人鬼だとTwitterに書き込んでしまうほどの奇行も。

 

見かねたハドソン夫人は、幸いジャンキーの扱いには慣れていたので、ハドソン夫人がわざと手にしていたカップを落とすことでシャーロックの持っていた銃を奪い、その銃で脅して、シャーロックが冷蔵庫に入れていた手錠で自らを拘束させます。

そして、「機会があればシャーロックを医者として看る」というジョンの言質をとった後、車のトランクに手錠を掛けられて寝転がっているシャーロックを見せるのです。

 

もう、ハドソン夫人が最高すぎる!組織のボスで犯罪者となった夫を持つという奇抜な設定がより活きていて、こんなにかっこいいハドソン夫人が好きです。

ハドソン夫人がホームズの状況に見かねて医者であるワトソンに助けを求めるというのは『瀕死の探偵』と同じですが、ハドソン夫人が強すぎてもう最高ですね。

 

そしてまんまとハドソン夫人にしてやられたジョンは、元々シャーロックがこのセラピー先の住所を教えていたというスミスからの招待を受け、スミスの元へシャーロックと向かうことに。

シャーロック本人は、これもまたあらかじめシャーロックが呼んでおいたモリーと一緒に救急車でスミスの元へ。モリーには「死者の方が健康」とまで言われてしまいます。

この元々推理して先回りに動いている感じが、わざと麻薬漬けになってスミスにお呼ばれされる状況を作り出した感じがありますね。

 

連続殺人鬼は衆目が必要だと、あくまでスミスを連続殺人鬼だと疑うシャーロックに対し、「財力も権力もある不可侵の人物は捕まえられない」と自信満々なスミス。

「選択した無知は世界に必要だ」と、記憶阻害剤を使用した会議室も、一番好きだという死体安置所も見せてくれるというサービスっぷり。

H.H.ホームズは死体のためにホテルを作ったバカだ、病院なら死体を隠すのにぴったりだとまで言うのです。

 

そこに、シャーロックがスミスからすり取ってメールをして呼び出したスミスの娘・フェイスがやってきますが、なんとベイカー街221Bにやって来たフェイスとは別人だったのです。

そのことに混乱するシャーロックは、麻薬の症状からか、傍にあったメスをつかみ取り、スミスが攻撃してくると思い込み、スミスに対して攻撃の構えを見せます。

すかさずジョンがシャーロックからメスを取り上げ、殴って、殴って、過剰なほどに殴ってシャーロックを止めるのです。

この、一種の狂気ともいえるジョンが殴るシーンは見ごたえがありましたね~

シャーロックの変人っぷりな演技にばかり目がいきがちですけれど、常人に見えて意外とそうでもないジョンも上手いです。この、ジョンの今までため込んでいた感情の爆発っぷりは、ある意味恐怖を覚えるほどで、すごくいいシーンでした。

 

取り調べを受けるジョン。その一方、シャーロックはそのままスミスの病院で治療を受けることとなります。

スミスの意向で、スミスはシャーロックに対し告訴はせず、治療まで施してあげるということになったのです。

ついに愛想をつかせたジョンは、ジョンがシャーロックと出会った時に持っていた杖をシャーロックのベッドの傍に置き、眠るシャーロックに別れを告げて病室を後にします。

 

シャーロックの行動の意図

ジョンが病室を去った後、入れ替わりのように現れたのはスミス。

スミスは隠し扉から、音もたてずに侵入したのです。

スミスは、病院建設の際、建築家を次々と解雇することで構造の全容を知る人物が自分だけとなるようにし、結果的に自分のみが知る隠し扉をたくさん持った殺人城を作り上げたのです。「私は人間を物に変えるのが好きだ」、なんて気持ち悪いセリフ。

そして、スミスの手でシャーロックも殺そうとします。

 

一方、病院を出たジョンは、マイクロフトの迎えによりそのままベイカー街221Bへ。

なんと、マイクロフトは総出でシャーロックの部屋の中を調べ、シャーロックが奇行に走った原因を探そうとしていたのです。

その様子を見たハドソン夫人は呆れ、マイクロフトに説教する始末。

シャーロックはどう見ても思考型ではなく感情型。失敗すれば壁に発砲し、未解決のものは棚の上にピンで刺す。だから、シャーロックが今おかしいのはその未解決事件のせいだと言い、刺されているものを抜き出します。

 

棚の上に刺されていたのは、メアリーからの最後の依頼が収められたビデオメッセージ。

再生し、それに気づいたハドソン夫人は、マイクロフトらをすぐさま追い出し、ジョンと2人だけでメッセージを見るのです。

メアリーは「ジョンは絶対に救いを拒むけど、救う唯一の方法は彼に助けられること。地獄へ落ちて。悪党と対決して危険な状況になったら彼はくる」とシャーロックにジョンを助ける方法を伝えます。

そのメッセージを聞き終えると走り出すジョンに向かって、ハドソン夫人は貸そうとしなかった真っ赤な車の鍵を渡すのです。

いやあ、今回のエピソードで1番かっこいいのはハドソン夫人じゃない?

 

ジャンキーだったとはいえシャーロックを拘束し、ジョンをはめて、シャーロックを理解して、ジョンの背中を押す。

残る唯一の存在であるシャーロックを失ってから泣きつかれても困る、とシャーロックに歩み寄るようジョンに訴えたシーンは、ハドソン夫人の人生経験の豊富さや人の大きさを感じましたね。

 

ジョンが消火栓で鍵の掛けられていたドアを破り、病室に突入すると、まさにスミスがシャーロックを窒息死させようとしているところでした。

スミスは人が入って来たことに気づくなり、助けようとしていたんだと弁解。シャーロックが盗聴器を仕掛けていたと言っても、すべて排除していると自信満々。

しかし、シャーロックは4つ目の盗聴器を、ジョンが持ってきた杖にあらかじめ仕込んでいたのです。

つくづく、シャーロックの読みがすごすぎるな...

自らスミスに殺されるよう仕向け、連続殺人鬼を逮捕するというのは『瀕死の探偵』そのものですが、その経緯や背景、味付けが全く違って面白かったです。ジョンを助けるため、メアリーの依頼に応えるためという理由付けがもうドラマ版の色になっていてい、見ごたえがありました。

それにしても、原作ですら飲まず食わずで瀕死を装ったのに、ドラマ版では麻薬漬けというのがより悲惨になってますよね😂

 

まさかの新たな登場人物

ジョンはシャーロックに浮気をしていた事実を打ち明けると、シャーロックは「ただのメールだ」と不器用ながらも励まします。

シャーロックだってあの女=アイリーン・アドラーとやりとりするのだから、メッセージを送ることに深い意味はないのだと。

まさかあのシャーロックがこんなに成長するなんてねぇ。感慨深い。

 

シャーロックとの仲も戻り、ジョンも(多少は)前向きになり、万事解決、と思いきや...

ジョンのセラピストは本人ではなく、セラピストに扮したシャーロックの姉妹・ユーラスだったのです。

バスで会い、ジョンが浮気をした相手もユーラスの変装。

シャーロックのもとへ相談に来た依頼人のフェイスも、ユーラスの変装だったのです。

東風とは、ユーラスのことだったのです。

 

最後に

原作には要素のない、悪の存在と思われるシャーロックの姉妹、ユーラスが登場!

スミスの言葉が本当なら、ユーラスは連続殺人鬼ということなの...?

ジョンをひっかきまわし、シャーロックの捜査を助けた意図は何なんだ??

もう次の展開が全く読めません。

マイクロフトが連絡をとろうとしているシェリンフォードも謎だしな...

 

では、お読みくださりありがとうございました!