たーこいずの宝箱

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海外ドラマ「SHERLOCK/シャーロック」4-1「6つのサッチャー」感想

海外ドラマ「SHERLOCK/シャーロック」シーズン4第1話「6つのサッチャー(The Six Thatchers)」感想です。

 

死んだと思われたまさかの人物のカムバックを予感させるラストを迎えたシーズン3。

シーズン4は彼との戦いとなるのか?

もういきなり激重なエピソードになりましたね...

 

では、以下ネタバレあり感想です。

 

ゲームの開始を待つ

「逢いたかった?」というメッセージと自分の顔が永遠と流れる画像であらゆる画面をハイジャックしたモリアーティ。

生きていたのか!?と騒ぎになるも、シャーロックは「死んだら発動する長期の計画だ、死後のゲームだ」とある意味ハイに。

自分の殺人をなかったことにするための話し合いに出席しているにもかかわらず、流石のシャーロックです。

そしてマイクロフトと数人の議員の話し合いにより、シャーロックの殺人はやる気がありすぎた隊員の仕業ということに事実が書き換えられました。

 

「僕は標的だから待つ」と言い、シャーロックはゲームが動くのを待つ間、数々の依頼を解決。テキストだけでやりとりしたり、オンラインで複数人を同時に相手したりともう効率重視にもほどがあるというか働きすぎというか。

ジョンとメアリーの赤ちゃんの湯あみの儀式(?)でも背中越しにずっとメールでやりとりしていて、前にジョンからメールで、赤ちゃんの名前はロザムンドというのも送られてきていたのに、全く見ずに削除してしまうというのがシャーロックぽい。Hiから始まるテキストは見ないことにしていると言うのが何とも😂

そんなシャーロックが片づけた事件の中には、カナリア調教師(『黒ピーター』)とか、親指が送られてきた(『親指の技師』)のとかは原作でも出てきた事件を思わせるものもありましたね。

 

そんなシャーロックもちゃんと赤ちゃんの面倒を見させられているようで、赤ちゃんに対して「君は見ているだけで観察しない、君にとって世界な謎だが僕には明快だ、非論理的な君はわかっていない、行動と結果は結びついている」と長々説教をしており、なんだと思えば「わかったか、ガラガラが欲しいなら投げるな」とガラガラを拾って渡してあげるのです。言ったそばから顔面に投げつけられるの可愛い。笑

 

思わぬところでの兆し

レストレードからの依頼で息子が死んだ夫婦の家へ捜査の協力に行くシャーロックとジョン。

チベットに旅行中だったはずの息子の遺体が、死後1週間後で家にあった車中から見つかったという事件。1週間前には父親と電話で話をしており、生きていたはずなのになぜ?どうして車中で死んでいたのか?車中から検出された2種類のビニールは?という謎に包まれており、両親も悲しみに打ちひしがれています。

しかし、シャーロックは両親からの話は全然聞かずに、リビングの隅の小さなテーブルに興味津々。

 

両親への態度がそっけなく、もはや上の空なシャーロック。流石にとがめられると、そんなものはとっくに解けていると言い、早口で真相を告げます。

ビニールが2種類あったのは本物の座席と偽物の座席があったからで、父親の誕生日にわざわざ旅行などするわけがなく、息子は偽のシートを着て車中に待機し、車にやってきた父親を驚かそうと待機していたものの、発作が起きて死んでしまったのだと言うのです。

話を聞くとなるほど、とそんなに難しくないように思えるのですが、これを到着するなり見抜くシャーロックはすごいよなぁ。素直に褒めるレストレードに対し、「僕の目は警察とは違う」と本心から言ってしまうのがやっぱりシャーロックですね。

 

そして、シャーロックがずっと気になっていたのは強盗がわざわざ壊していったマーガレット・サッチャーの胸像。傷跡から犯人は胸像を見える場所に持ち出してから壊していることがわかり、それを不思議に思いつつ、きっとモリアーティからの挑戦に違いないと思うシャーロック。

そこでマイクロフトにモリアーティはサッチャーに興味がなかったか尋ねに行きます。なんだかんだ兄を頼るところが可愛いよな。

サッチャーに興味があったという記録はないけれど、ボルジア家の黒真珠を探していたようで、未だ見つかっていないとマイクロフト。

 

次々に破壊される胸像

行方不明の黒真珠の新たな手掛かりを持ってきたステラという名前の刑事は追い返し、レストレードが持ってきた壊されたサッチャーの胸像に興味津々なシャーロック。

サッチャーの写真などほかの物は全く手が付けられていないのに、胸像だけが壊されるのは何故なのか?

 

残された胸像に付着していた血の臭いを犬にかがせ、犯人の足取りを追うシャーロック。

この犬を使った捜査の時のやり取りがもう笑ってばっかりでしたね~ジョンより役立つメアリーに助手の立場を奪われ「離婚したい気分だ」と言うジョンに笑い、血の匂いを嗅がせてもなかなか動かないのにイラつくジョンに対し「遅いが正確なんだ、君と同じだ」と言うシャーロックに笑い、もう本当にいいチームワークだよ。

犬に匂いを嗅がせて足取りを追うというのは『4つの署名』ですね。『4つの署名』に出てきた犬の名前もトビーでした。

ドラマの犬トビーも優秀ですが、精肉店で血の匂いが混ざり、それ以上の追跡が不可能に。犯人の頭の良さがうかがえます。

 

探していたもの

シャーロックは、壊された胸像を調べ、トビリシで作られたこの世に6体だけの限定モデルであることを突き止めます。

つまり、最後の1体を持つ家で待ち構えていれば、犯人を捕まえることができるということ。

最後の胸像がある家に張り込むシャーロックの元へやってきた犯人。プールで格闘するのですが、このプールの壁画がなんと葛飾北斎の神奈川沖浪裏!おっしゃれ!

プールでの格闘となると、モリアーティとのあの場面を思い出させますが、相手はなんとメアリーのかつての仲間だったのです。

そして胸像の中から出てきたのは、黒真珠ではなくメアリーが持っていたものと同じA.G.R.Aと書かれたUSB

ええ~!やられた~!!いやてっきり原作『6つのナポレオン』みたいに、製造中の胸像の中に黒真珠を隠したけれど、どの胸像か分からないから壊して回っているのかと思った!これはうまい裏切り方だ~!!

 

犯人とメアリーは4人で動くフリーランスの諜報員チームで、6年前、テロによりトビリシの英国大使館が占領された際、英国からの依頼で救出に向かうも、アモという人物からの突然の指令変更により、救出は失敗に終わったという過去がありました。

USBに書かれているのはその4人の名前、アレックス、ガブリエル、ロザムンド、エイジェイのイニシャル。これも『4つの署名』を思わせますね~!このイニシャルが判明するときの演出には興奮しました。

このUSBには4人の個人情報が入っており、これを4人がそれぞれ持つことで、命取りになるため簡単に裏切ることができず、信頼関係の礎になるというもの。

 

そして今回の犯人であるエイジェイは、テロ組織に捕まりそうになり、寸前で製造中の胸像にこのUSBを隠したため、それを探していたのです。

見つけたあかつきには、テロ組織に捕まり拷問を受けている時に聞いた「英国の女が裏切った」と言う言葉からロザムンド、つまりメアリーが裏切ったのだと思い、メアリーを殺そうとしていたのです。

 

最期

メアリーに事実を伝え、自分が守ると言うシャーロックですが、メアリーはシャーロックを眠らせてイギリスを離れ、ジョンには「ランダムに動くからシャーロックでも探せない、ことが済んだら必ず戻る」という手紙を残し、いろいろな国を転々としながら身を隠します。

 

しかし、ジョンの提案でUSBにつけておいたGPSから、メアリーの潜伏先を突き止めやってきたジョンとシャーロック。

イギリスに戻ろうという話をしていると、そこへタイミング悪く(良く?)やってきたエイジェイ。メアリーは裏切っていないとみんなが主張するも、エイジェイは聞く耳を持ちませんが、シャーロックの問いに対し「賢い諜報員どもが裏切られた」「英国女」という言葉を聞いたためメアリーが裏切ったのだと思ったと回答。

メアリーと銃の構え合いになり、一触即発となった状況を打破したのは、なんと現地の警察。やってくるなり即エイジェイを背後から射殺してしまいます。

家族同然のような存在だったエイジェイを殺されて悲しむメアリー。辛い...

 

これまでの状況を踏まえ、犯人を特定したシャーロックは、犯人がいる水族館へみんなを集めます。

メアリーとジョンも急行しようとしますが、赤ちゃんの面倒を誰かにお願いしなければならないため、メアリーのみ急行し、ジョンは預けてから行くことに。

 

水族館にいたのは、アモことビビアン・ノーバリ議員。

彼女はAGRAを私用で使い、金もうけをしていたのですが、そのことがトビリシ大使館にバレたため、テロに乗じてすべてを消し去ろうとしたのです。

ノーバリは退屈な毎日を送りながら、外で活躍する人たちに嫉妬したのが動機であると言い、「みんなを欺いた、この僕以外は」とシャーロック。

しかし、ノーバリは「まだ切り札が残っている」と言い、シャーロックに向かって間髪いれずに発砲します。

咄嗟のことに動けないシャーロックの前に飛び出して、代わりに自らの体で銃弾を受け止めるメアリー。運悪く、撃たれた直後にジョンがその場に到着するのです。

 

「あなたと一緒で幸せだった」「あなたは望むものすべてをくれた」とジョンに言い、シャーロックには「討ってごめんなさい、これであいこね」と言うメアリー。そして最期には「あなたは私の全てよ。メアリー・ワトソンになることでやっと価値ある人生が送れた。ありがとう」と言い息を引き取るのです。

その後、「よくも、約束しただろ、誓ったくせに」とシャーロックを責めてしまうジョン。

 

ジョンとシャーロックのその後

メアリーがまだ生きている時、ジョンはバスで見かけた女性から連絡先をもらい、頻繁にやり取りしていた事実が視聴者にのみ明かされます。やはりジョンは美人好きだった...

ジョンは自らが既婚者であるから止めようと言い、もう関係はなくなっていたのですが、それをメアリーに打ち明ける前にメアリーが死んでしまいました。

メアリーはジョンのことを完璧すぎると何度も言ってくれるので、ジョンは自分は完璧ではないと謝ろうとしていたのだと思いますが、それを伝えることができずに死んでしまったことが罪悪感となり、きっと余計に辛いのだと思います。

 

だからこそシャーロックに強く当たってしまい、シャーロックとは顔を合わせようとしません。

しかしシャーロックは、メアリーから依頼として、私が死んだらジョンを救ってというメッセージを受け取っており、似合わぬセラピーにも行き、ジョンのことを何とかしたいと思っている様子。

うーん、辛すぎる...まさかシーズンの最初の話からこんなに重い話になるとは。

 

シャーロックは、「僕が自信過剰の自惚れ屋になっていたら、ノーバリと言ってください」とハドソン夫人にお願い。これは、ホームズが推理ミスした際、ワトソンにお願いした『黄色い顔』の「ワトソン君、これからもし僕が、自分の力を過信したり、事件に対してそれ相応の骨折りを惜しんだりするようなことがあったら、ひとこと僕の耳に『ノーバリ』とささやいてくれたまえ。そうしてくれれば僕は非常にありがたい」というセリフからでしょう。こうやって、完璧にも見えるシャーロック・ホームズも失敗して反省するところも魅力なわけですが...だとしても辛い...

 

最後に

悲しいエピソードでしたが、笑えるポイントはやっぱり多くて楽しかったです。

マイクロフトがシャーロックにジョンとメアリーの赤ちゃんを見せてもらった時のシーンで、無言な事をシャーロックに突っ込まれ無理やり出した感想が「完全に機能している」なのがもう流石マイクロフトだよ。流石あのシャーロックの兄。苦手な分野が人間ってもう😂

 

と無理やり明るい話題を入れてみたものの、やっぱり気分が重い...ジョンが浮気(未遂?)をしていたというのが余計にしんどい。何やってんだよジョン。

はやくジョンとシャーロックが仲直りしてくれるといいんだけど、ジョンはなかなか頑固だからなぁ...

 

では、お読みくださりありがとうございました!