海外ドラマ「SHERLOCK/シャーロック」シーズン2第1話「ベルグレービアの醜聞(A Scandal in Belgravia)」感想です。
題名からお察しのとおり、記念すべき1話目はあのアイリーン・アドラーが登場。
原作ファンはニヤニヤ必至です。
そして、前話は衝撃的な結末を迎えましたが、あの行方は...
では、以下ネタバレあり感想です。
モリアーティとの対峙
前回、気まぐれで戻って来たモリアーティにより2人の命が狙われたため、起死回生の一手として爆弾に銃口を向けたホームズ。
一触即発という緊迫感の漂う中、その空気を変えたのはモリアーティへの電話。
なんて拍子抜けなの😂
その電話の内容がよほど気がかりだったようで、あっさりと帰っていくモリアーティ。自由人だな...
そしてその電話の主は、"あの女"だったのです。
マイクロフトからの依頼
モリアーティと別れた後、ホームズは退屈な事件ばかりをばんばんやっつけていきます。
それをワトソンがブログで取り上げるので、さらに知名度が上がるというのが面白いですね。だからこそ退屈な依頼が多いという皮肉。
ワトソンがブログにつけたタイトルがユニークで、「まだらなブロンズ」は「まだらな紐」、「オタクな通訳者」は「ギリシャ語通訳」をもじっているのでしょう。
ブログのカウンターが1895で止まっているのは、原作「黒ピーター」で1895年ほどホームズが好調だった年はないと書かれているからでしょうか。だとしたら、もうブログはあまり注目されないということ?😂
と、そんなホームズを訪ねてやって来たのは「自分が殺した」と自白するおデブな男。
自分が車の修理をしている間にバードウォッチングをしていた男性が死んでいたというその事件は「重要度が6」なので、現場へはワトソンを行かせ、自分はリモートで捜査をするという怠惰ぶり。これで行ってあげるワトソンの懐が深すぎるのよ。
しかしその捜査の途中、ホームズは家まで、ワトソンはなんとヘリで強制送還され、バッキンガム宮殿へと運ばれました。そう、マイクロフトが2人を呼びつけたのです。
服を着ろと何度言われてもバスタオルを体に巻いたままというホームズが舐め腐っていて面白い。パンツを履いているのか確認するワトソンが可愛いし、バッキンガム宮殿にお呼ばれしちゃってテンションの高い2人も可愛い。ちゃんとホームズもテンション上がってるのが可愛いんだよな。そしてマイクロフトにたしなめられるというオチ。
マイクロフトからは、名前の出せない高貴な人からの依頼で、アイリーン・アドラーから写真を取り返してほしいと言われます。アイリーン・アドラーが貴族のスキャンダル画像で脅す、その写真でどうこうしたいわけではなく、単にお守りにしているというのは、まさに「ボヘミヤの醜聞」ですね。
断る気満々だったホームズですが、話を聞いて乗り気になり、アイリーン・アドラーから写真を取り戻すことに。
バッキンガム宮殿からの帰りにちゃっかり灰皿を盗んできているのが流石よね。ホームズとワトソンが子どもっぽくていいのよ。
アイリーン・アドラーとの対決
アイリーン・アドラーの家へ行き写真を在りかを突き止める必要があるホームズ。
乱闘騒ぎで家の中に入れてもらうことに成功し、火事だと騒ぐことで大切な物=写真の在りかを教えてもらうという手法はまさに「ボヘミヤの醜聞」そのもの。
しかし、何が違うってアイリーン・アドラーの魔性の女感がパワーアップしているところでしょう。
勝負服がまさかの裸体ってすごいな。ピュアなワトソンは直視しないけど、見るところはちゃんと見るホームズがらしいというか。でも裸体ゆえにいつもの推理が通用しないというのが、ホームズもちゃんと翻弄されているといういい演出です。
写真の入った金庫の暗証番号がスリーサイズだなんて、よく見抜いたよねホームズ。というか、スリーサイズが変わらないことからこそ暗証番号に出来ているわけで、やはりアイリーン・アドラー恐るべし。
CIAからも狙われているというのはまさに「お守り」なわけで、そのあたりはいい発展のさせ方だなぁと思いました。
しかもあえて携帯をホームズに預けることで、ホームズに暗号を解かせるという利用の仕方も容赦なくて悪女感満載。また、モリアーティの勧めでホームズを頼ったというのが憎いですよね。
ホームズはあっという間に暗号を解き、飛行機の爆破テロの情報を政府が掴んでいることを明かしてしまいます。この辺の詰めの甘さが、アイリーン・アドラーの上手感が出ていていいですよね。ホームズが唯一認めた「あの女」ですから。
しかし、ホームズもやられっぱなしではなく、アイリーン・アドラーの携帯の暗証番号をきちんと解くうえ、アイリーン・アドラーの命まで救うというかっこよさ。
携帯の暗証番号を入れるとI AM SHERLOCKEDになるなんて、アイリーン・アドラーもホームズを意識していたんだなぁとニヤニヤ。
ホームズも、しっかり脈を図るなどきちんと冷静だったところが、アイリーン・アドラーとの関係を単なる恋愛に落とし込まないでくれたスタッフたちに感謝です。そんな短絡的なものはつまらないですからね。
それにしても、どこから情報を手に入れたかわからないようにするため、あえてテロをさせるというのは恐ろしいですねぇ。トランクから見つかった男の死体の謎も、ベーカー街221Bを訪ねてきたつまらない客たちも、みんな死体をテロ対策につかっていたことを示唆していたなんて、もう口があんぐりあいてしまいました。
今回は本当にアイリーン・アドラーは死んだ、偽装工作に弟が関わっていない限り騙されないと言っていたマイクロフトですが、本当にホームズが偽装に関わっていたなんて面白い展開ですよね。アイリーン・アドラーがメールを送った直後、処刑人から「あぁ~ん」というあの着信音が鳴った時は笑ってしまいました。
まあ、ホームズを心配しているワトソンには真実を話してあげても...とは思ったりするのですが。
そうそう、ちゃっかりアイリーン・アドラーの携帯をもらっていく結末は、報酬としてアイリーン・アドラーの写真を貰った小説の結末を思わせるものがありますね。
最後に
犯人に脅されながらも泣きまねをしながら携帯を隠すハドソン夫人、かっこよすぎません?あれだけ肝がすわっていなければ、ホームズを下宿なんてさせられないのかも。
そうそう、ワトソンの彼女(?)もいつの間にかジャネットという女性にかわっておりましたね。ピュアなくせに女好きなんだから。速攻で振られておりましたけれども。
では、最後までお読みくださりありがとうございました!