海外ドラマ「SHERLOCK/シャーロック」のシーズン1第1話「ピンク色の研究(A Stady in Pink)」の感想です。
前々から見たいと思っていたBBC版のシャーロック!ついにHuluでも見られるようになっていましたので、ずっとお気に入りに登録しつつ、今見ている海外ドラマが一区切りついたら見ようと温めていました。そしてついに見ることができました✨
やーもうやっぱりホームズとワトソンのキャラや掛け合いが面白いですよねぇ。
しかも随所に原作へのオマージュがちりばめられていて、でも現代風でとても良かったです。
記念すべき第1話は、ホームズの最初のお話「緋色の研究」から発展させたであろう「ピンク色の研究」。不可解な自殺が3件続くも関連性が見当たらないうちに、ついに4人目の自殺者が出てしまい...
では、以下ネタバレあり感想です。
ワトソンとホームズの出会い
カウンセリングの場で、ストレスは心因性のものだと言われるワトソン。戦争から帰って来てからはストレスを感じていて、だからこそ杖を使わないと歩けないし、悪夢も見てしまう。改善のため今日あったことをブログに綴るようアドバイスされますが、全然従わないワトソン。
なんというか、優しそうでひ弱そうな見た目ながら、芯は強くて度胸もある内心に炎を隠している(という個人的な)イメージのワトソンをマーティン・フリーマンが演じるというのはもう完璧な配役!!!
そんなワトソンは同居人候補としてホームズに会いますが、初対面でアフガニスタン帰りの元軍医で、酒飲みの兄とは仲が良くないことをズバズバと言い当てられます。
ホームズ演じるベネディクト・カンバーバッチの淡々とした表情が、ホームズの変人ぶりをさらに増していてとてもいいですね。
それでいて、実は兄ではなく姉だったというオチが面白い。とっても悔しがるホームズが可愛いんだよなぁ。「いつもミスをやるんだ!」と言うホームズは、原作でもそういうような発言をしていたような記憶があります。
そしてびっくりなのがまさかのマイクロフト登場!
はじめ、「ホームズの宿敵だ」なんて言われたらモリアーティ教授か?と思うじゃないですか。
でも、言葉の節々にホームズを気に掛ける思いが見え隠れしたり、手の震えがないのはむしろ危険を感じているからだと言い当てたるなどホームズに負けない観察力を発揮したりする様子から、もしかしてホームズの兄・マイクロフトなんじゃ...?と思って見ていたんです。
そしたらラストで種明かしされて見事的中したので、嬉しい気持ちでしたね。まさかマイクロフトまで登場するなんて思ってもみなかったので。
美人に目がないワトソンがちゃっかり謎の秘書にアクションを起こしていたのにはニヤニヤしましたね。
ピンク色の被害者
4人目の自殺者が出た段階で、ホームズに助けを求めに来たレストレード警部。
現場に行くと、なんとグレグスンまでいるのです。まさかここまで緋色の研究をなぞってくれるとは!原作どおり嫌なやつで、妻の外出中に同僚と浮気までしちゃうみたいです。それをズバズバと皮肉を込めて言い当てるホームズの痛快さといったら。
被害医者はピンク色が大好きで、だから「ピンク色の研究」なわけなのですが、なんと現場には被害者が書き残した「RACHE」の文字が。
「緋色の研究」では無能なグレグスンが「ダイイングメッセージであり、レイチェル嬢が事件に関係している」と主張し、ホームズが「ドイツ語で復讐であり、犯人が書いたものだ」と一蹴します。
しかし今回はその逆であり、グレグスンが「ドイツ語で復讐だ」と意気揚々に主張するもホームズが「レイチェル嬢だ」と否定するという構図。これは見事でしたね。
そのダイイングメッセージはパスワードであり、被害者の携帯電話の居所を掴むことができるという流れも現代的で見事でした。
そうそう、ホームズが瞬時に様々な情報を得ていることを、その場その場で単語で示す映像はとても面白くて効果的でしたね!
ますでホームズの頭の中を覗き見しているみたいで面白かったです。それにしても、本当に高速回転してるんだなぁ。
犯人は公衆の場で人を攫うことができる人
「緋色の研究」では辻馬車の御者が犯人でしたが、今回の犯人はタクシー運転手。
まさかここまで似せてくるとは思っていなかったので、途中までは誰だろうと考えながら見ていたわけですが、携帯のGPSがベイカー街221Bを示していて、かつ呼んでもいないタクシーが来たというのでピンときました。そしてそこまでなぞってくれるのか!と嬉しくなりました。
しかし、呼んでもいないタクシーがしつこいうえに、GPSがうちを示している時点で、ホームズなら運転手が犯人だと気づきそうなものですが。
「緋色の研究」では復讐、今回はお金と動機は全く違うものですが、犯人は運転手であること、大動脈瘤により死期が近いこと、殺害方法が毒入りの薬を自主的に選ばせて飲ませるという方法であること、「RACHE」という書きおき、等を合わせつつここまで違うストーリーにできるのかと、ワクワクしっぱなしでした。
そして犯人確保の方法がまた面白かった。
犯人の口車にのり、片方の薬を飲もうとしていたホームズ。まさに今飲む、という瞬間に窓越しからワトソンが犯人を射殺するなんて、衝撃的でした。
しかしワトソンはそれくらい難なくやってのける度胸はあるわけで、それを上手いこと表現したなぁと感心してしまいました(何目線)。いやぁワトソンがかっこよかった。
連想殺人犯を射殺したのは犯人を敵視していた人だというとんちんかんな推察を話すレストレード警部に対し、度胸と技量がある軍人だと推理を明かす過程で、それがワトソンだと気づいたときのホームズがよかったですね。
杖を忘れて猛ダッシュしているワトソンに対してもとても嬉しそうでしたし、友達がおらず常に変人扱いされ疑われるホームズにとって、ワトソンという存在が本当に一緒にいて楽しい存在なんだろうなぁと心がほっこりします。
それにしても、ワトソンの心が広いよね。
「緋色の研究」では、1回目の殺人ではうまく毒入りを選ばせましたが、2回目は逃げようとしたので刺殺しました。
しかし今回は4回とも毒入りを選ばせており、「チェスだ」と犯人は言っていたのが面白いなと。運任せではなく、明らかに殺しにいっているじゃないですか。その絡繰りも明かしてほしかった!そしてホームズは賭けに勝ったのか負けたのかも知りたかったー!
犯人のスポンサーはやはりモリアーティ教授とのこと。今後姿が見え隠れしてくのだろうと思うと、展開が楽しみです。
最後に
辻馬車ではなくタクシー、ホームズが中毒なのはコカインではなくニコチンパッチ、ホームズとワトソンが恋人と思われる、など現代にアレンジされている部分はありますが全く違和感がなく、とても溶け込んでいてよかったです。
ワトソンの手のしびれや杖など、目に見えて変化を感じられるという描写も効果的でよかったなと。
それと個人的には、ハドソン夫人が若い女性ではなかったのが嬉しかったです。オマージュ作品は若くて美人なことも多いですが、やっぱり私はおばさんで、変人ホームズを見守っているイメージがあるので。
今後のお話も原作を知っているとニヤニヤしてしまう描写や事件が大半なのかなと思うと、とても楽しみです!
では、お読みくださりありがとうございました!