たーこいずの宝箱

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SHERLOCK/シャーロック1-2「死を呼ぶ暗号」感想

海外ドラマ「SHERLOCK/シャーロック」シーズン1第2話「死を呼ぶ暗号(The Blind Banker)」の感想です。

 

大学時代の友人セバスチャンから頼まれ、銀行への落書き犯の侵入経路を探すことにしたホームズ。

その落書きは暗号であり、その暗号を受け取った人物は殺されていて...

 

では、以下ネタバレあり感想です。

 

2つの殺人事件

大学時代の友人セバスチャンから、セキュリティ強化のため、扉を開閉させずたった60秒で落書きを残していった犯人の侵入経路を見つけてほしいとの依頼を受けたホームズ。

黄色のペンキで不思議な記号が書かれていたわけですが、これは単なる落書きではなく、特定の誰かに向けたメッセージであるとホームズは断定。

その暗号が見られる席のヴァン・クーンがメッセージの受け取り手だと早々に判断し、家に向かいますが、ヴァン・クーンは右のこめかみを銃で撃たれ、すでに死んでいました。

 

やってきたディモック警部補は自殺だと判断しますが、メモ帳の位置などからヴァン・クーンは左利きなのに、右のこめかみを撃つことはできないことから、明らかに殺人事件であるとホームズは主張。

 

「そんなこともわからないのか?」とでも言いたげなホームズがまんまホームズなんですよね。同じ情報を見ているのにわからないなんて、見ていないんだっていうね。

そうそう、セバスチャンから前渡金だと小切手を渡されたのに、報酬はいらないと断るのも「謎自体が報酬」なホームズそのものでした。

その後ちゃっかり受け取るワトソンが好き。

 

翌日、フリージャーナリストのルーキスが自宅で殺される事件が発生。自宅が4階、先日のヴァン・クーンは6階で殺されているにもかかわらず、扉は内側から鍵が掛けられていたことから、ホームズは壁からよじ登り窓から侵入したんだと主張。

そんな主張に対し、「スパイダーマンってことか」とディモック警部がバカにしますが、この発言はまさに現代的でいいですね。本当に現代にホームズがいるって感じ。

 

殺されたルーキスは図書館で暗号を受け取っていたことを突き止めますが、やはり何を意味しているのかはわかりません。

あちらこちらに記号のような暗号が残されているという構図は、ホームズの有名な暗号もの「踊る人形」のようですね。一見すると単なる落書きだけど、実は意味があるっていうのが面白いです。

 

暗号の意味

ホームズとワトソンがそれぞれ銀行と警視庁でヴァン・クーンとルーキスの足取りを追っていると、同じ中国の雑貨屋さんにたどり着きます。

そこの値札を見てみると、残された暗号とそっくりの記号が。

蘇州文字という、古代中国で使われていた数字だったのです。

たまたまワトソンに遭遇した時とホームズの驚き様、ここにたどり着いた過程や推理を披露したくて止まらない様子がもう微笑ましくて仕方ない。

 

たまたま食事をとったレストランから見えた家が、3日間も留守にしていることに疑問を抱くホームズ。

不法侵入すると、家の中ではなんと連続殺人犯と思われる人物に遭遇し、殺されかけてしまうのです。

犯人と相対しているなんて思いもよらないワトソンが、また置いてきぼりな状況に腹を立てて皮肉を言い続けている様子が面白かったです。そして、まさかこれが伏線になっていたとはね...

 

その家の住人はスーリーンで、美術館に勤めていたことを手紙で知り、2人はその美術館へ。そこにはまた暗号が残されており、スーリーンは暗号を見て隠れているのだと推理。

スーリーンが仕事を途中で放り出すわけがないという同僚の主張通り、スーリーンはこっそり職場に戻ってきては、仕事の続きをしているのでした。

それを見越してまた美術館に来ていた2人は、スーリーンに話を聞くと、中国から盗んだ骨董品を運搬する組織「黒い蓮」の一員であること、暗号は本がないと解けないこと、骨董品をくすねた犯人を捕まえるため協力を求められたが断ったことを教えてくれます。

 

そして2人はスーリーンに、街中に仲間へ向けたメッセージと思われる暗号の解読を依頼。

しかし、居場所をつきとめた「黒い蓮」の一員がやって来た結果、スーリーンは殺されてしまいます。

すぐにいなくなったホームズ、そして加勢しに行ったワトソン。ここでスーリーンを1人にしたらだめでしょ、と思っていたら案の定でしたね。狙われている人物を1人にしてはいけない。

 

そうそう、鉄道の路線の近くで暗号を見つけたシーンですが、「記憶は65%しかされていない」「目を瞑って思い出せ」と必死なホームズに対し、「手を放してくれたら思い出せる」と携帯で撮った写真を見せるワトソンがもう面白くて仕方なかったですね。

写真を見せられたときのホームズの拍子抜け感よ。

 

あとは、落書きに詳しい人物として普段からストリートアートをしている少年・ラズに話を聞いたり協力を求めたりするのは、浮浪少年を上手く使って捜査をしていた原作のホームズを思わせる良い構図だったと思います。

ストリートアートってのが現代的ですし。

 

ワトソンの恋と事件の行方

お金のないワトソンは病院でアルバイトを始めますが、同僚のサラをデートにお誘い。

本当に美人に目がないよね...素晴らしい。

 

事件を追うよりデートしたいと言うワトソンに対し、「それは自分が提案したことじゃないか」と言うホームズが最高なんですよ。あの真剣な感じがたまらん。

ワトソンの言う「好きな人」って恋愛的な意味ですけど、ホームズの言う「好きな人」は人間として好きな人、つまりワトソンだという究極の愛の告白なわけで。それを理解できない、と深く受け止めないワトソンも、やっぱりちょっと変わっているホームズも最高でした。

 

ワトソンのデート先にとホームズが提案したのはサーカス。行かないと言いつつちゃっかり乗るワトソンが良いですし、ちゃっかり自分も予約して捜査に付き合わせるホームズがなお良いですね。

そのサーカスは骨董品がオークションに出展されている日と被っており、「黒い蓮」がサーカスを隠れ蓑にしていること、蜘蛛のように壁をよじ登って犯行に及ぶ犯人はサーカス団員なら納得がいくことから、ここに犯人がいると踏んだホームズ。

案の定、楽屋には暗号に使われたペンキと、スーリーンの家でホームズが殺されかけた犯人もいました。

 

命からがら逃げてきた3人は、ベーカー街221Bで暗号解読を再開。

そこでサラが、スーリーンが途中まで暗号を解読していたことに気づき、ホームズはその本が何か分かるかもと美術館へと家を飛び出します。

しかし、ぶつかった観光客が持っているロンドン地図を見かけ、「誰もが持っている本」はこれだと閃きます。

原作「恐怖の谷」では「ホイッテカー年鑑」だったものをロンドン地図にするというのも面白い。本が暗号のキーとなる「恐怖の谷」と、落書きのような暗号がいたるところに記される「踊る人形」の融合、という感じで面白かったです。

 

ホームズが路上で暗号解読をする一方、ワトソンとサラはホームズとホームズの恋人と勘違いされ、「黒い蓮」に誘拐されてしまい、「盗まれた900万ポンドの翡翠のピンを在りかを言わなければサラを殺す」と脅されます。

今までのワトソンの行動は確かにホームズと勘違いされてもおかしくないわけで、シリアスな展開ながら面白くてニヤニヤしちゃいましたね。やっぱ、ホームズはもちろんなんですけど、ワトソンの人柄もユニークなんですよ。

 

助けに来たホームズとなんとかサラを救い出し、犯人も殺しますが、リーダーであるシャン将軍は取り逃がしてしまいます。

しかし、シャン将軍は黒幕と思われるM、つまりモリアーティにテレビ通話で報告をしている最中、額を撃ち抜かれて口封じの殺害をされるのです。

 

そして気になる翡翠のピンの行方は、なんとヴァンが中国土産として上司と秘書以上の関係にあった秘書に渡していたのです。

900万ポンドと聞いたときの秘書の慌てようがリアルで面白かった。確かに頭に900万ポンド乗ってたと思ったら、気が気じゃないですよね。

 

無事に助かったサラに対し、「次は安全なデートを」と誘うワトソン。

いやぁ私だったら二度とごめんだよ。笑

そもそもデートによく分からん2人目の男(ホームズ)が現れた時点で嫌だよ😂

 

最後に

暗号という点で「踊る人形」と「恐怖の谷」をベースとしつつ、ディモック警部補に手柄を譲ったり、「思考が遮られるから」と一切食事をとらなかったり、珍しい名前を電話帳から探したりといたるところで原作へのオマージュが見受けられましたね。

やはり、暗号っぽく見えない暗号ってのは面白いですね~!

 

そして美人に目がないワトソンは、サラと今後仲を深めていけるのでしょうか?

原作「四つの署名」のメアリー・モースタンのように結婚までたどり着くのか、果たして...

 

では、お読みくださりありがとうございました!